やあヘビだよ。
今回は2021年イタリアのホラー映画「クラシック・ホラー・ストーリー」の感想。
エリサは中絶手術のために相乗りアプリを利用して実家に帰るところだった。
他の相乗りメンバーは車の持ち主のファブリツィオ、マークとソフィアのカップル、医者のリカルド。
目的地に向けてイタリア南部の森の中を走る。
すっかり暗くなった道でヤギの遺体をさけようとハンドル操作をあやまり車は木に衝突。
気を失っていた一行が目を覚ますと車は森の中のポツンと小屋がたつ場所へと移動していた。
じっとり汗ばむような車の中や、ポツンと立った小屋の雰囲気が1974年「悪魔のいけにえ」を彷彿とさせる。
携帯の電波も届かない森の中でカルト狂信者たちから逃れるサバイバルはまさにクラシックでホラーなストーリー。
この映画はタイトルの通りクラシックなホラーをリスペクトした演出が多い。
ファブリツィオのちょいちょい出る映画オタク的なセリフなんかも面白い。
オカルトホラーじゃないとわかってからもなかなか楽しかった。
無能をバカにされたような扱いのファブリツィオだけど、
その無能キャラが獲物を油断させるには最高の効果になってるとこが面白い。
そして壮絶な体験をしたエリサがラストにみせた心境の変化もすごく良かったと思う。
評判はあまり良くないけど面白かった「クラシック・ホラー・ストーリー」について書いていこうと思う。
クラシックでホラーなストーリーを撮るマフィア

車でじっとり汗ばんでるファブリツィオと映像の色味だけで1974年「悪魔のいけにえ」を彷彿とさせる。
「悪魔のいけにえ」ってやっぱり偉大だなあ。
現代では映像の色味なんかもデジタル加工するんだろうけど、当時はレンズフィルターでホラー映画のトーンを確立させたんだと思うと胸が熱くなりますなあ。
さてこの映画。
相乗りアプリで集まった人たちが森の中でカルト教団から逃れるサバイバルホラー。
と思ったらなんとカルト教団の人々はマフィアの扮装だった。
マフィアによるスナッフフィルムの撮影だったんだ。
南イタリアのマフィア「ンドランゲタ」
ボスの息子のファブリツィオが主導となって人殺しの映画を撮っていた。
しかしこのンドランゲタのファミリーたちが農民の役作りだけじゃなさそうなみすぼらしさにビックリ。
実在のマフィアの名前
ちなみにこのンドランゲタというマフィアは実在のマフィアらしい。
そして二人の監督ロベルト・デ・フェオはバーリ出身。
パオロ・ストリッポリはコラート出身。
監督二人とも南イタリア出身ということもあって現代の南イタリアマフィアの衰退を表しているのかそれとも皮肉っているのか。
いやそんなことをしたら報復が、、、
いやそもそも映画業界はなにかとマフィアがからんでたりする話があるから
そもそも二人とも、、、
など色んなことを想像してしまう。
実は有能なファブリツィオ
話を戻そう。
マフィアの女ボスの頼りない息子ファブリツィオ。
ファブリツィオが親に認められるためにこの映画は成功させなくてはならない。
ところが普段から妹にはバカにされエリサには犯人だと気づかれひどい最期をとげる。
そんな感じにボスの息子なのに無能で映画もまともに作れないみたいな演出になっている。
でもファブリツィオってなかなか有能じゃないか?
頼りない感じは役作りじゃなくて地で行ってるぽいけどそれが獲物を油断させるには適役だった。
あたふたしてリカルドに怒鳴られるなんてもう思うつぼじゃないか。
絶対犯人側だと思わないよね。
そしてストーリーもなかなか良かった。
事故を起こして気が付くと車ごと森の中。
「道路にでて誰かに助けを求めよう」
エリサ「道路がない」
はい名台詞出ました。
いたはずの空間が変わるとか怖すぎ。
それを
「道路がない」
の一言からのみんなの無言の反応で表現。
しびれますなあ。
そしてファブリツィオが恐る恐る外を見渡す名演技が最高じゃないですか。
ヘビは全く疑わなかった。
ファブリツィオは監督としても役者としても優秀なんじゃないだろうか。
命の価値観が変わるほどの体験をしたエリサ

真相を知ったエリサは報復にでる。
そのまま逃げる事もできたかもしれないけど怒りのほうが勝った。
あそこでやってなければまた捕まってたかもしれないしね。
子供をやっちまった!
憎たらしいキアラをショットガンでドーン。
エリサやりやがった!!
コンプライアンスにうるさいこの現代で子供をやりやがった!!
素晴らしいです。
憎たらしい子供はショットガンでやってしまえばいいのだ (映画の中の話です)
映画なんだからいいじゃないか (白目)
大体そんな映画をみて実際に実行するやつなんかもともとおかしいやつだけですよまったく。
子供をショットガンで撃つことを推奨してるわけではないということに普通は説明なんかいらないはずなんだ。
メディアは何かあると映画のせいゲームのせいにしたがるけど全く関係ないとヘビは思います。
命の価値観が変わったエリサ
目の前で人が殺され、
自分でも命を奪ってしまったエリサ。
そんな命のやりとりはエリサの価値観すら変えてしまった。
日常に戻れたエリサは人目を気にする気力もなく疲れ果てていた。
海に潜って体の汚れを落とすとやっと悲しみが体に追いついてくる。
中絶するつもりだったおなかの中の命を感じる。
エリサは母親に猛反対されながら命を育てていくのだろう。

最後の最後のSNSのシーン邪魔だったなあ

映画の依頼者が内容についてある程度指示を出してるって話があったし
殺しだけじゃなくてわざわざ映画風にしてるんだから
最終的に世に出回るってのは直接的に表現しなくてもわかるはずだよね

実際に映画を低評価されたときの保険にも感じて気持ち悪くなった

メタ要素だからねえ
一歩間違えれば保険に見えたり
冷めてしまったりするよなw
でもまあそんなに邪魔には感じなかったかな

それよりサイレンとかバイオリンの音が邪魔だった

そうだねあれ邪魔だった
効果音なのか実際に森で音がしてるのかわからなくなるぐらい邪魔だった

そうなんだよ
最近のホラー映画はこういったバカでかい効果音を詰め込んでくる傾向にあるよな

そうなんすそうなんす

なんだかんだ最後の最後のシーンが一番怖かったかもしれん
映画を観る前に評価を漁って
映画は飛ばし飛ばし何秒か観て低評価をつけてる男が
お父さんって怖すぎだろw

あれはホラーだね
子供ならまだしもw
お父さんがあんなだと子供の成長が心配でならない

日本の若者が長い動画が見れなくなってきてるって数年前に話題になってたけど
日本だけの話じゃなさそうだな

それどころかZ世代すらも関係ないかもしれないよね
おっさんも映画を倍速で観るようになってきてるらしいし

そうだな
世代の問題じゃなくて数秒で情報を得られる現代に長い動画っていうコンテンツが合わなくなってきてるのかもしれないな

ネット検索すれば数秒で解決する時代だから
CMはさんで引っ張るテレビ情報番組って観てられなくなったもんね
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?