ヒューマンドラマ

フェーズ6のネタバレ感想と考察 皆で生きてビーチに行きたい 皆ルールに賛成した 病人は死人と同じ助からない

やあヘビだよ。
今回は2009年のアメリカヒューマンドラマ映画「フェーズ6」の感想。

治療薬のないウイルスが蔓延した世界。
致死率100%のウイルスで人類は全滅しつつあった。
兄のブライアン弟のダニーは避難するため盗んだ車で仲間と共に幼いころよく行っていたビーチを目指していた
ガソリンの残量が心配になってきたブライアンたちは道路を塞ぐ男と出会う。
男は感染した幼い娘を連れていた

この映画はなんとも救いのないお話になっている。
映画としてはよくできているんだけど主人公たちの非情な行いのせいで映画の評価が分かれそうな感じ。
感染すると死亡率は100%。
情を捨てなければ生き残れない
それはわかる。わかるんだけど、、、
主人公たちの行いが許容できない。
でも実際にこんな状況になればそうするしかないかもしれない。
葛藤に苦しみながら観ることになるだろう。

そんな苦しい映画「フェーズ6」の人々の思いについて考えてみようと思う。

皆で生きてビーチに行きたい

感染すると致死率100%のウイルスによって人類はほぼ壊滅状態。
ブライアンと恋人のボビー、ブライアンの弟ダニー、ダニーの幼馴染のケイト4人はブライアン兄弟が幼いころよく遊びに行ったビーチを目指す。

生き残った人はまばらで出会ったら協力するか物資の争奪戦が始まるかどっちか。

感染すると助からないことから生き延びるには同情は禁物。
それにしてもだよ。
なんとも胸糞が悪いんですねえ、、、

目的のビーチにたどり着きはしたけどこれが目的だったと言えるのか。
達成したと言えるのか、、、

ブライアン

典型的なアメリカ映画に登場するバカ
運転中にふざけて事故を起こすタイプ。
運転中に5秒間わき見とかもうアメリカ映画だと当たり前だよね。

それでもブライアンは頼りになるお兄ちゃんでもある。
状況が状況だけに生き残るには非道な行いをするしかないときだってある。
アメリカは広大だし場所によってはガス欠は死を意味する
殺してでもガソリンを奪わなければ全滅していたかもしれない。
弟の手を汚させないためにも悪役を買って出てるとこがある。(そこまで考えてるとは思えない)

それにしてもだよ。
感染が発覚したからと言って愛する恋人を置き去りにできるもんかね。
皆で生きてビーチに行くのが目的だったはず。
ボビーのいないビーチでの生活は目的達成だと言えるのか?

結局あとでブライアンの感染も発覚する。
こんなことならボビーと一緒に車を降りて二人で余生をすごすべきだったと思ったに違いない。
すごく後味が悪い。

ダニー

典型的な甘ったれな弟
自分では行動しないくせにきれいごとを言って自分を正当化する。
幼いころに兄弟で悪いことをするたびにブライアンだけが両親に怒られてダニーはブライアンの後ろで何も言わずにやりすごしてた事がうかがい知れる。 (妄想)
次男は楽だろなあ (遠い目)

でもこんな時だから仕方がないとも言える。
自分らが生きるために人殺しをする辛さをなんとかごまかさなきゃいけない。
そうでもしないと耐えられない

でもその時何もしなかったくせに後から俺は反対だったとか正義をかざすやつは嫌いです。
しかもケイトに言われてお兄ちゃんを撃ち殺す。
なんでそんなことができる?
お兄ちゃんを盾にして生きてきたクセに感染したら殺す。

なんというクソ野郎だ。
てめぇらの血はなに色だーっ! (錯乱)

そんなクソのダニーが生き残るから後味の悪さが倍増

ボビー

やさしさが命取りになった。
フランクの娘ジョディが呼吸困難になったのを放っておけなかった
思い切り血を浴びてしまった。

自分が感染してるかもしれない
感染してたら置き去りにされるから誰にも言えない。
感染させてしまうかもしれないからブライアンと距離を置かなければならない
違うんだブライアンが嫌いになったわけじゃないんだ、、、
一人で悩んで辛かったことだろう。
そして一人置き去りにされる。

置き去りにされるのを見るのはつらかったけど、ボビーの憎たらしいシーンがそれを少しだけ薄めてくれた

最初にフランクの車を奪おうとしたときにボビーはブライアンに
「さっさと (フランクを) 撃って」
とかなかなかな事を言ってるんだよねえ。

あとケイトがなんとか両親の安否を確認しようとパニックになっているときに
「みんな死んでるあなたの両親も私の両親も!」
とか残酷なことを言ってた
みんな不安だから当たり散らしてしまうんだけどねえ。

ただただ優しいボビーだったら置き去りにされたときにもっと心をえぐられてたと思う。
それでも置き去りのボビーを見るのはつらかったけど。

ケイト

ケイトにとってこの仲間たちはそんなに思い入れがないのかもしれない。
それにしてもクールすぎないか。
でも消毒に参加したりしてしっかり貢献はしてるんだよね。

ダニーと二人きりでたどり着いたビーチで今後どうなるんだろう。
なんともあのまま生存者に会うこともなく死ぬまで二人きりって感じの虚しいエンディングだった。

フランクと娘

フランクはただのいい人だった。
感染した娘を助けたい
ラジオで聞いた情報にかけていた。
ファーミントン郊外の学校に人が集まっている。CDCが新薬を開発したと。

ところが実際には新薬の開発は失敗していた
苦しみを3日間長引かせるだけだった。

生き残った医者は感染した子供たちと心中する。
医者は言った。
「時に生きることは死を選ぶよりつらい」

感染して時折苦しむ娘をもつフランクは医者の苦しみは痛いほどわかっていた
だから感染した子供たちを前に心中を止めることはできなかった。

そして希望が完全に断たれたフランクは娘と一緒に車を降りる。

物資も薬もないこの学校でどう終わりを迎えるのか。
救いがない

パンデミック

この映画は2009年2002年11月にSARSコロナウイルスが中国で発生した6年後に公開されている。
SARSコロナウイルスはWHOからグローバルアラートが発令されたけどパンデミックに至ることはなく2003年7月終息宣言
この後に
2011年「コンテイジョン
など多くのパンデミックもの映画がつくられた。
でも当時「フェーズ6」はフィクションな感じだった。

ところが新型コロナウイルスCOVID-192019年またもや中国で発生。

2020年1月9日、世界保健機関 (World Health Organization; WHO) は2019年12月8日に中華人民共和国湖北省武漢市で発生した肺炎の集団発症が新型コロナウイルス(原文では “novel (or new) coronavirus”)によるものであるとする声明を出した。

新型コロナウイルス感染症 (2019年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
最終更新 2022年11月12日 (土) 03:55

発生したタイミングも悪かった。
発生した翌月は中国での旧正月
旧正月といえば休みの期間中国の人が旅行を楽しむ時期
旅行者が世界中にウイルスを運ぶ一つの要因になってしまった。
そして2020年3月11日WHO (世界保健機関) からパンデミック宣言

この記事を書いている2022年11月現在もパンデミック2年目の真っ最中で終息する気配すらない
フェーズ6が現実のものとなっている

映画の中でブライアンたちがビーチを目指す途中吊るされたアジア人の死体があった。
字幕では
移民が病気を運んできた
となっているけど首から下げられた札をよくみると
chinks brought it
と書いてある。
「chinks (中国人の侮蔑語) がもってきやがった」
現実世界でSARSウイルスが中国から発生したので大切な人を失った人は実際にそんな感情があったかもしれない。(吊し上げを肯定しているわけではありません)

現在猛威を奮っているCOVID-19も中国から発生したことから世界ではアジアヘイトが爆発
色んな国でアジア人が暴行を受ける事件があった。
アジア人以外から見ると中国人も日本人も区別がつかないから中国人じゃないアジア人もたくさん被害にあっている。

生活に影響を及ぼし続けている新型コロナウイルスは日本でも人々の心までむしばんでいるように感じる。
ワクチンを打ちたくなければ打たなければいいけど他人のワクチン接種を妨害する必要はないはず。
マスクをしたくなければしなければいい (施設などのルールにはしたがうべき) けど他人にマスクを外すのを強要する必要はないはず。
検査で陽性反応がでると逃げて感染拡大させるのはもう傷害罪じゃないか。

新型コロナウイルスについてはまだ不明なことだらけだ。
ただの風邪だという人もいるけど後遺症の話を聞くとただの風邪とは思えない気もする。
個人的にはどっちにしても感染に気を付けるに越したことはないと思う
大切な人に感染させて失う可能性があることは避けるべきだと思う。

治療薬の研究は進んでいるようなのでそれに期待したい。
それまではみんなで協力して感染に気を付けていけばなにも規制することなく経済も落ち込まないで済むんじゃないだろうか。(願望)


あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?


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