やあヘビだよ。今回は2000年ロバート・ゼメキス監督のトム・ハンクスが可哀そうな映画「キャスト・アウェイ」の感想。
世界中の支社を飛び回っては効率化を熱血指導する有能な貨物航空会社の男チャック。
クリスマスの夜にまで会社のトラブルでマレーシアに呼ばれたチャックが乗った貨物機は墜落してたった一人で無人島に漂着する。
変わり果てた姿で救助されたチャックだったが4年もの間行方不明だったので故人にされていて恋人のケリーは他の家庭を持っていた。
この映画はもちろん無人島生活にインパクトがあるんだけど救助されてアメリカに帰ってからのチャックの幸せの描写の少なさがすごいんだ。
そして一見いらなそうなシーンもチャックの不幸せの中にある小さな幸せを観てる人が感じとるという絶妙な演出であったりする。
そしてそれを成立させるトム・ハンクスの演技のすごい事といったらもう。
そのへんのチャックの幸せの量についても語っていこうとおもう。
豪快に死亡フラグを立てて出発するチャック

FedExのシステムエンジニアのチャックは世界中の支社を飛び回っては仕事効率化のために熱血指導する熱い男。
クリスマスの夜はなんとか休暇をとれて恋人のケリーを含めた親族と過ごしていたと思いきやトラブルでマレーシアに呼び出される。
食事中にポケベルを確認したチャックをみて
えーまたなの?クリスマスまでなの?
みたいなガッカリそうな顔からすぐに笑顔をみせるケリーがなんともかわいい。
空港までケリーに送ってもらったチャックは車の中で慌ただしくクリスマスプレゼント交換。
おいおい日記帳はまだいいとしてもタオルってなんだよww
ってみていると忘れてたかのようにケリーにもう一つのプレゼントを渡す。
「車の中で開けるようなプレゼントじゃない。おフザケのタオルとは違う」
やっぱりふざけてたんかい!安心した。
どうみても指輪のサイズの包みに感動するケリーをよそにもう出発の時間。
「すぐ戻るよ!」
マレーシアの出張から帰ったら結婚するんだ。
ぐらい見事な死亡フラグをたてて出発するチャック。
グッバイチャック、、、
すると見事にチャックを乗せたFedExの貨物機は太平洋に墜落してたった1人漂着したのは無人島だった。
靴はなくなっていて虫歯が痛む状態からの無人島生活スタート。
墜落した貨物機から流れ着く荷物を開けて生活に使えそうなものを確保するけど直接的に役に立つ物はなかった。
でも箱に天使の羽が書いた箱だけは開けずにとっておいた。
チャックは遭難してからも流れ着いたすでに海水でビショビショの荷物を雨から守っていたし、帰還してこの荷物を届けるという事で無人島での孤独から精神を保っていたものの一つになっていたんだね。
バレーボールに “ウィルソン” と名付けてしゃべりかけてケリーの写真をみながら孤独に耐えて4年経ったころに仮設トイレの一部が流れ着く。
4年間過ごして風向きの周期を覚えていたチャックは仮設トイレの壁を帆にして島を脱出しようと次の追い風の時期に間に合うように島の木やツタをかき集めてイカダを作り始める。

まず自分だったら無人島に辿り着く自信がない

無理だよねコレ
もう外は暗かったし裂けた機体に何度も頭を打ち付けて死ぬ自信がある

靴は片方ないしね
どうせなら両方持っていきやがれ!

無人島ついた時点でもう両方ないだろw

虫歯だしねえ

あんなに世界を飛び回る職業じゃなくても歯医者ってなかなかいけなかったりするからな

うんうん
1発で治療終わらせてくれないから何回も何回もちょこちょこ通わなきゃないしあれどうにかならないのかな
あんなに呼び出されるような仕事だと行く暇がないよね
チャックが友達に説明しすぎるシーンは必要だったのか

あんなにアツい男だったチャックが無人島から帰ってきたらウィルソンぐらい寡黙な男になっていた。
4年もの無人島生活でコミュニケーション能力を失ったりケリーを失ったりしたから当然とも言えるかもしれないけど。
ケリーに会っても黙ってみつめているだけ。
チャックなりに新しい家庭をもったケリーを認めようとあの場で色々心の整理をしていたのかもしれないね。
それにしてもだよ。
ケリーとサヨナラした後に友達のとこに言って心の内をしゃべりすぎじゃなかった?
首吊りの事は島のシーンでウィルソンのやり取りから貴重なツタを崖の上に取りにいってツタを手繰り寄せたら人型っぽい木があったからもう説明いらないぐらい察するよね。
一度諦めてたのかって。
そう思ってたのにそのまんまセリフで説明されてなんだか興醒めしちゃうよね。
ケリーに会いに行ってケリをつけて友達に吐き出して次のステップなんだろうけど
それだったらチャックがもっと泣いたりわめいたりしながら4年間の思いを吐き出してもよかったんじゃないだろうか。
ウィルソン相手にあれだけ感情的になってたんだしね。
また相手がウィルソンみたいに黙って聞いてるだけってとこはなんかいいなあと思ったけどw
だけど救助されてからどことなく抜け殻になってるチャックだったからこそ最後の交差点での希望の笑顔がより引き立つという効果があったのかな。

最後の荷物を届けるシーンもいらなかったんじゃないかな
荷物をもって車に乗り込むとこで終わるぐらいな感じで

まあそれだと冒頭のシーンもいらなくなっちゃうなw

そうかそうなっちゃうね
そうすると最後の道案内の “いい女” がいらなくなっちゃうか

あの人 “いい女” って感じでよかったよな
逆に言うとあそこは絶対にいい女にならないとダメなシーンだな

このラリ・ホワイトって人はカントリーミュージシャンみたいだけど2018年に亡くなってたんだねえ、、、
ご冥福をお祈りします
人それぞれの幸せの量

人それぞれ幸せと不幸せの許容量があってバランスを取ろうとするって話があるよね。
うまくいきすぎると不安になってわざと失敗しようとするとかいうアレ。
それにしてもチャックの幸せの量が極端に少ないと思いませんか?
というかそういう演出なんだけど制作側がチャックが幸せになることを許さない。
4年もの無人島生活からやっと脱出してタンカーに救助されるっていうシーンは言わばクライマックスと言っても過言ではないシーンだよね。
全カットwww
FedExの記者会見でお礼を言ってみんなにおめでとうお帰りと言われるシーン。
全カットwww
このへんで思うわけですよ。
おや?チャックが寡黙なだけじゃないぞ?意図的な演出を感じるぞ?
救助されて4週間経ってるのに氷が入ったカップに幸せを感じてる。
いやまあわかりますよ。
あんな思いをしたら普段当たり前だと思ってた事が実はすごく恵まれてて幸せだと思う気持ち。
だけどあからさまにチャックには小さい幸せしか与えない製作側の意図を感じてくるんですよ。
だからダメとかつまらないって事じゃないよ。
チャックが幸せに耐えられない体になってしまったのかもしれない。
チャックの幸せのシーンがすごく慎ましやかなんだ
- 感情的になって投げたウィルソンが見つかる
- 火が付いた
- ヤシの実がうまくあいた
- 氷が入ったカップを2つもらった
- 生還したチャックをハグしてくる社員が数人いた
とくにチャックおかえりパーティの最後に何人かの社員が抜け殻のようになったチャックとハグをするシーンはこれだけの事なのに
「ああチャック良かったなあ帰りを喜んでくれる人がいる」
って思っちゃうから忘れてる人は今度は是非このシーンを気を付けながら観てみてほしい。
この小さな幸せのシーンでチャックよかったって思うってことはまんまと映画の演出にやられてるわけですねえ。
見事ですねえ。

無二の親友っぽい位置づけの友人もなんだかプライベートで付き合いがなさそうに見えるとこもチャックの寂しさを際立ててるんだよな

そうなんだよね
無人島の孤独は終わったはずなのに帰還してもチャックの孤独はまだ続いてる

幸せをスルーするのはよくスティーヴン・キングが使ってくる手だな
救われるようなシーンをスルーしたり
ずっと思ってた人とニアミスで終わったり

それによってちょっとのことで感動しやすくなったりするよね

しかしお祝いパーティーとかいって片づけてから帰れよなw
あそこに1人残すとかどんだけチャックを孤独にしたいんだよw

やっぱり上げた後は落としてくるねえ
チャックかわいそう
ケリー視点の映画だったら

ケリーとしても被害者ではあるよねチャックが生きて帰ってきたから。
ケリー視点で映画にするとしてもやっぱりケリーが1人でチャックの帰りを待ってたらダメなんだろうねえ。
再婚してさらに子供までいるってことでひどさに深みが出るw
再婚してないパターンだったらチャックが死なないとダメだよね。
タンカーで救助されるけどケリーの写真が入った懐中時計を握りしめて死んでたとか。
観てるほうとしては独身でケリーが待ち続けてほしいけどそれだと映画としてつまらないものになりそうだよね。

ケリーもひどいよね
いまだに生きてると思ってたみたいにテーブルの上に事故の資料を山積みにして待ってるとか

本当に最近まで記事をみてたかもしれないだろw
みてないだろうけど
まあでもまさか本当に生きてるとは思わなかっただろうな

ん?w

みんなもう寝てるとか言ってたけど旦那はたまったもんじゃないよね

グラスを壁につけて聞いてるだろうなw
でもケリーの旦那は
「チャックは必ず戻ってくる」
とか慰めながらケリーに近づいたはずだからチャックのことは絶対悪く言えないだろうしな

それだよねやっぱり悪いやつだよあの旦那は

いやいやそうは言ってないw
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?