やあヘビだよ。今回は2018年の邦画「響 -HIBIKI-」の感想。
文芸界を揺るがすほどの才能をもつ女子高生の小説家「響」を中心に小説家たちの苦悩や編集部の世界を描いたヒューマンドラマ。
この映画は柳本光晴の漫画「響 〜小説家になる方法〜」の実写化なんだけど原作の漫画から大胆な変更点というかキャラが何人かいなくなってたりすんだけど原作の世界観は壊れないように実写化されてる。実にお見事。しかも出てくる俳優陣がまあすごいことみんなすごくいいキャラに仕上がってた。
ヘビは原作の漫画の方は最後までじゃないけど読んで作品を知っていたのでアイドルが主役で映画化と聞いたときに、話題性だけでアイドルを起用したさむい映画に何度も嫌な思いをしたことがあるからこの映画を観るのもあんまり気が進まなかったんだ。もちろん例外的にアイドル起用でも2016年テレビドラマ「フラジャイル」とか2006年のアメリカ映画「硫黄島からの手紙」とか素晴らしい作品もあるけどね。
でもこの「響 -HIBIKI-」はすごくよかったビックリした。
まず主人公「響」を演じる平手友梨奈の適役っぷりがすごい。原作で感じる感情を表すのが下手で暴力的で冷酷な印象がありながらもところどころにでる真っすぐな感性を見事に表現していた。
そして世界的小説家の娘としての苦悩をみせないように明るく振舞う「リカ」を演じるアヤカ・ウィルソン。
響の作品を世に出すために問題を起こしまくる響を守りながら奮闘する編集者の「ふみ」を演じる北川景子。
原作以上に憎悪をあおる小説家「鬼島仁」を演じる北村有起哉。
絶望の小説家「山本春平」を本当に今にも自殺しそうな顔で演じる小栗旬。
みんながみんな最高だった。
ヘビのようなアイドル起用映画アレルギーの人もこれを観てみると例外もあるじゃないかフフンと意外と世界が広がったりするかもしれないよ。
圧倒的な文才をもつ人物は小説家を目指してもいない女子高生だったそして響を演じる平手友梨奈もまた圧倒的

文芸雑誌「木蓮」編集部の「花井ふみ」はデータ原稿という応募要項を守れていないので廃棄予定だった新人賞の応募原稿を読んで驚愕した。それは文芸界に革命を起こせると確信できるほどの作品だった。でも封筒には「鮎喰響」と書いてあるだけで連絡先もわからない。ふみは新人賞が決まる頃には鮎喰響という人物と連絡が取れることに賭けて原稿を手打ちでデータに起こす事にした。
鮎喰響は高校に入学したばかりの高校生。響は文芸部に入りそこで日本を代表する小説家祖父江秋人の娘であり文芸部部長の祖父江リカと知り合う。リカは自分が正しいと思ったことなら暴力をもってしても貫き通すという変人な響の扱いに困るけど次第に響の真っすぐな感性と圧倒的な才能に惹かれ親友になっていく。
ふみは祖父江リカを通して偶然祖父江秋人の書斎で鮎喰響に出会う事になり文芸界に革命を起こすであろう鮎喰響の作品を正式に新人賞に応募することができた。しかしこれからふみは問題ばかり起こす響の才能を埋もれさせないように響の代わりに謝罪や説明に駆けずり回ることになる。

響の原稿をふみが手打ちしてて編集部にOCRぐらいないのかなと思ったけどOCRってまだ実用的じゃないのかな

出版社のこと全然知らないから適当に考察するとOCRはあるだろうけど手書き非対応説

あーなるほどさすがに手書きまでは完全対応してないかもしれないね
とりあえずORCかけて後で修正ってのも誤変換をさらに間違った修正をとかなりそうだし最初から手打ちになるかもしれないね

最近じゃOCRもAIを取り入れて進化してるみたいだしどんどん精度は上がってるだろうけどまだまだ完璧じゃないのかも
こういう技術を調べてると最初はワクワクするんだけど途中でふと人間いらねーじゃんって思い始めて虚無になる

なんでw
未来はあかるくていいじゃないか結局AIを開発するのは人間だし
原作から色々変更することによって響に焦点を絞ることに成功

途中までだけど原作の漫画を読んでたのでそれと比較すると響以外の人物は性格を少し変えてあったり性格をそのままにさらにブーストしたような変更があったいるする。でも人物の芯の部分はそのままに表現方法を変えたという感じですごくいいアレンジだなあと思った。結果響によりフォーカスをあてた感じになっててすごく感心しましたはい。
鮎喰響
だいたい原作の漫画と同じキャラの感じなんだけど髪が短いってのと原作より見た目がかわいいってとこぐらいかな。
響の魅力はなんといっても偽りのない感情ですねはい。
響は感情を表に出すのが苦手だから無機質な印象をうけちゃうんだけど実はすごく感情を抑えずに出してるよね。暴力にもでてるけどw
それは「好き」という表現を素直に出せるところに現れてる。
好きという感情を表現するのが一番難しいよね実は。
抑えてしまったり隠してしまったりするものだよね。
響は意図的に表現する感じはないんだけど「あなたの小説が好き」とストレートに言えたり好きな小説家と握手したあとににじみ出るうれしさとか偽りのない感情がとても魅力的。
感情豊かだけど表情で確認しづらく自分の意思を暴力をもってしても貫こうとする、、、、、
ネコ?響はネコなの?!
しかし響を演じる平手友梨奈ってすごい人だねえ。
この人は元アイドルってぐらいしか認識がなくて冒頭でもふれたけどヘビはアイドルが出てる映画って何度も嫌な思いをしてるからアイドルが出てるってだけでなかなか観ようと思わないんだけどカメレオンに誘われて観てみたらすぐにそんな思いも吹き飛んだ。
まずすごいはまり役だよね。もともとこんな人なんじゃないかなってぐらい自然に響になっちゃってる。しかも16歳って、、、、ほんとなの?ってぐらいすごく貫禄がある。

平手友梨奈いいなあ
なんなのなんで16歳の劇団じゃない人がこんな演技できるの

完全に響だったね
強いて違いを言うのであれば漫画のほうがもっと根暗要素が強くてビジュアル的にはかわいさは薄かったかな
映画の響はコロコロしてかわいかった

映画だと美人にみえるときもあって困惑する
主題歌も圧倒的だったし

完全に平手友梨奈の虜になってんじゃんw

いろんなシーンが漫画に忠実なとこがあって漫画を読んでるともっと楽しめるよねきっと
ペンで涼太郎を突っつくシーンとかw

あそこいいよなw
作品を評価されてよっぽどうれしかったんだろうな
祖父江リカ
原作のリカはギャルでちょっとすれた感じだったけど清楚なテイストに変更されてた。
だけど原作のリカと同じように世界的小説家の父との間に感じる壁とか作家デビューしても世界的小説家の娘としての話題性が主で作品を評価してもらえないとかさらに突如現れた響の作品に圧倒的な才能の違いをみせつけられたりとか世界的小説家の娘としての苦悩という軸がぶれることなくオリジナルなキャラになってた。
苦悩や悲しみを悟られないように明るく振舞うリカを演じるアヤカ・ウィルソンはとてもいい味をだしててかわいかったなあ。

リカは原作と比べると白くてで可愛くなってたね

感情を殺して気丈にふるまうアヤカ・ウィルソンの演技はうまかったねえ

そうなんだよね
お父さんは漫画と真逆で大人しいやさしい感じになってたけどそれが逆にリカを小説家としては相手にしてないような感じで親子関係としては漫画に近く感じた

真逆だったねえ
でもあれは映画が初見の人はどう感じるかな
漫画だとお父さんはいきり野郎のクズでストレートにリカをバカにした感じだったからそれを知ったうえで観ると物腰やわらかな祖父江秋人でも逆に真剣にリカと向き合ってないように見えちゃうんだよね

映画だとそこの苦悩はリカが勝手に感じ取ってるってだけの演出だったのかな

重要なのは二世作家としてでもそれなりに評価されるんだけど響の圧倒的な才能を目の当たりにして自分の力不足を思い知らされるところだから映画ではお父さんとの関係は端折ったって事でいいんじゃないかな
実際祖父江秋人のエピソードは全カットみたいなもんだから1シーンで親子関係の微妙さを表現するのは困難だし

カットと言えば主要キャラの椿涼太郎も映画ではいないようなもんだったね

あれはビックリしたよな
漫画だと響と涼太郎の関係が響の内面を知ることができる要素でもあったからな
他にも実際に存在がなくなってるキャラがいたけど極限までそぎ落としてタイトルも「響 -HIBIKI-」になってるわけで響に焦点をしぼった作品に仕上げたってのは見事だった
脚本家が良い仕事してるんだろな
花井ふみ
原作では姉御肌で乱暴っぽいキャラだったふみは真っすぐで一生懸命なのはそのままにちょっと初々しくかわいい感じに変更。
北川景子が演じたからかわいいキャラになったのかもしれないけどそれはそれで一生懸命なふみを応援したくなる感じ。

ふみは映画化したらおっぱいがなくなっちゃったね

漫画だと「あーあのおっぱい大きい子?」とか認識されてたぐらいだからなw

北川景子のふみは漫画よりかわいい感じで別人だったねまあみんな映画化でかわいくなってるんだけど

そうだね
みんなすごく魅力的になってた
鬼島仁もある意味魅力的だったなw

あれすごかったねw
原作どころじゃない憎たらしさでよかった

山本春平の小栗旬も浮くぐらい迫真の演技ですごく良かったし

浮いてたねえいい意味で
山本春平って人が他の登場人物と違って絶望の世界にいるからいい感じなんだよね
古い家でノイキャンイヤホンして必至に小説を生み出すだけのシーンで全てを説明できてるようなすごい演技だった

あれ耳栓だろw
必至にバイトしながらギリギリ生活してんのにノイキャンイヤホンなんかかえないだろ

あれ耳栓なのかw
安くても5万円弱ぐらいするだろうしヘンだと思ったんだけど仕事の環境のために無理して買ったのかと思った
光あふれる響の小説の世界と観てる人を不安にさせる響

カメレオンに言われて気づいたんだけど誰かが響の小説を読むシーンで光が動くんだ。
それは読んでる人の時間が流れてるようで響の小説の世界の時間が流れてるようで。
そしてこれは響の小説を読むときにしか起こりえない演出。響の世界がいかに特別かという事をうまく表現してる。
まあヘビはカメレオンに言われるまで時間が早く流れるほど響の小説を読むことに没頭してるぐらいにしか思わなかったんだけどねウヒヒヒ。
演出といえばヘビのお気に入りは響が新人賞を受賞したとき挨拶の会場で同じく新人賞を受賞した田中康平をパイプ椅子で殴って終わりかと思ったらさらに駅のホームまで追いかけて行って電車待ちしてる田中康平の後ろに立つ響のシーンだねえ。
怖いですねえ。
響は「読んでもいないのに批判するのは卑怯だ」と言いに来たんだけどちょうど電車がくるしまさかねえ。
まさかとは思うけど響ならやりかねない。
いややらないだろうけど。
やるかなやらないだろまさか。
と思わせる最高のシーン。いやあ怖いです響。
響は決して気に食わない相手を痛めつけるという目的があるわけじゃないとわかってはいながらもいい具合に観てる人を不安にさせる面白いシーンだよね。

この映画はなかなか演出がうまかったよね編集がうまいのかテンポもよかったし
日本映画も全部ダメなわけじゃないってのを味わえてよかった

随分上から目線だなw
まあでも確かに話題性だけで突っ切ろうという日本映画が多いことは否めない

製作費とか大人の事情がつよいんだろうけどヘンなのを起用して作品を台無しにしてほしくないです
日本映画全体の印象が悪くなる

監督も同じこと思いながら撮ってる映画も多いかもしれないなw
しかしこの映画はほんとによくできてた

うんうん面白かった
アイドル起用と聞いてたから危なく観ないで死ぬとこだった
変人の天才が文芸界で無双

響は何かおかしい。
- 高校に入学して文学部へ入部希望に言ったらタカヤに喧嘩を売られて無表情でタカヤの小指を折る。
- 落とし前付けろとタカヤに言われるまま屋上のはしっこに立って強風でうっかり落ちる。
- リカが整理した文庫の配置が気に入らなくて配置換えをするけど何度もリカに戻されて本棚の上の届かないとこに置かれた本を取るために本棚を倒す。
- リカに絡んでいた初対面の鬼島仁の顔面を蹴る
- 初対面で作品を読まないでけなしてきた田中康平が新人賞の挨拶をしているときに後ろからパイプ椅子で殴る
- 山本春平の自殺に納得がいかなく説教しているうちに踏切で電車を止める
漫画だとリカが涼太郎に
「あんたは響のことどう思ってるの?あの子はどう言葉を選んでも頭がおかしいとしか言えないよ」
とかストレートに質問してたしw
おかしいですよ。響。
そういえば映画のポスターに「私は、曲げない。」とか書いてあったけど自分を曲げないってのが最初にあるわけではないからちょっと違うんだよね。
このキャッチコピーだと、「わたしは自分の意見を曲げねえからあ~!!」とかいうバカみたいに感じて違和感を覚える。
そうじゃなくて響は正しいと思ったことに他の答えがありうるとは思わないだけなんだきっと。だからってそれでいいわけじゃないんだけどさw
リカが鬼島仁にひどいことを言われて響が鬼島の顔面を蹴ってふみに怒られてたときも
「なんでふみは殴らなかったの?友達がいじめられてたら助けたいと思うでしょ?」
と真顔で言う。
高校の文学部に入るときにタカヤの指を折った時も「殺すと言われたから殺されないようにやった」
と言っていた。
そう正義なんだ。行動の理由自体はおかしくはないんだけど行動に問題がある。
しかも感情的に動くならまだ怖くないんだけど冷静ってわけじゃないけど感情が見えにくくて衝動的じゃなさそうに見えるから怖いんだよね。
後でフォローに回ったりするからちょっと今回の案件には補足が必要とか反省してるみたいではあるんだけど。
それでいて小説のことになるとうれしさが顔にあふれだすからギャップのせいかすごく感情豊かにみえてかわいい。平手友梨奈補正もでかいんだけどさ。
一体どんな世界のとらえ方をしてるのか響の小説を読んでみたいよね。

映画に出てくる作品ってのは具体的に出てこないことが多いけどこの映画の作品は小説だからうまいこと実際に出す必要がなくて上手くいってるよね

そうだよね
作品が音楽とかだと実写化ですごいさむいことになったりして難しいからね

音楽が題材だと全く聞かせないわけにいかないだろうな

映画はちゃんとみてないけど2005年の「NANA」では実際映画の中の曲がヒットしてたね

そういえばあったな

あれはhydeが作曲してバカ売れしたけど作詞は原作者がやってるから原作の時点でちゃんと中の作品まで具体的に創造してあったから実写化でもバンと出せたのかもしれない

ふむふむ
それでもhydeの力配分がすごそうだなw
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?