やあヘビだよ。今回は2009年のSF映画「ノウイング」の感想。
宇宙物理学者のジョンは50年前の少女が書いた大惨事の予言を未然に防ごうと奮闘するけどそのころから息子のケイレブに言葉を発しない謎の男たちが接触してくる。
そんな感じのSF映画ではあるんだけど主人公のジョンが牧師の父親と仲違いしていて何年も連絡をとってなかったり去年妻を火災で失っていて当然息子のケイレブもいろいろ思うところがあるわけで他にも登場する人々みんなが問題をかかえてる。
しかも中盤からの宗教的描写が相まってSFというよりとてもヒューマンドラマな印象を受ける作品。
だけどそっち方向の考察はされつくしてるだろうからあえてSF的に謎の男たち側からの考察もしてみようと思う。
50年前の少女が書き連ねた数字の意味は

物静かで友達がいない少女ルシンダは謎のささやき声に悩まされていた。
小学校で50年後の生徒に開けてもらうタイムカプセルに絵をかいて入れましょうという時間にルシンダは狂ったように数字の羅列を書き始める。
授業の時間が終わっても書き続けるルシンダは教師から取り上げられるかたちで数字を書いた紙をタイムカプセルに入れられる。そのあと失踪するルシンダは学校の物置に籠って手を血まみれにしながら爪でドアに数字の続きを刻んでいるところを保護される。
それから50年後。
宇宙物理学者のジョンは昨年ホテルの火災事故で妻を失って小学生の息子ケイレブと2人きりの生活になっていた。
突然1人で息子と向き合うことになったジョンは不器用で今までほとんど妻に任せていたような印象をうける。
そんななかケイレブは小学校で50年前に埋めたタイムカプセルを掘り起こす式典で当時の生徒が書いたびっしりと数字が書かれた紙をこっそり持ち帰るとジョンが数字には意味があることに気づいて解読を始める。
すると数字の羅列はここ50年のうちに地球上で起こった大惨事の日付と場所と犠牲者数を表している事に気づく。その数字には去年妻を失ったホテルの事故の事も示されていた。
そして最後3つの出来事はこの先起こるものだった。
そのころからケイレブに謎の男が接触してくるうようになる。ジョンは謎の男を警戒しながらも三つの出来事をなんとか防げないかと奮闘するけど物置のドアに書かれた最後の数字に絶望する。
ヒューマンドラマなほうに誘導するけど

みんな問題を抱えている
- ルシンダ
宇宙人から受信した数字を書き殴るルシンダは暗くて変わってるから孤立している。
そして宇宙人からの言葉を受信する能力があったために何十年も人から疎まれ馬鹿にされ娘にも嫌われて孫に会わせてももらえずつらい人生だっただろう。
- ケイレブ
幼いうちに母親を亡くして毎晩残った母親のビデオで愛情を確認してから眠るケイレブは片親で子育てする事になった不器用なジョンにしつけと称した理不尽なルールを押し付けられる。そしてもう気づく年頃なのにジョンはケイレブを子供扱いして本音で会話をしてくれない。
- ジョン
牧師である父親と長いこと話もしていない。
愛する妻を失ってから1人で子供を育てる事になったジョンは良かれと思って実行している教育方針のせいで子供と距離が生じてるけどその理由に気づいていない。
- ダイアナ
お母さんのルシンダが変人で幼い頃からどれほど苦しんできた事か。なるべく孫を会わせたくないと思うのは当然で同情する。
主人公のジョンも苦悩してるんだけど他の人もみんな苦悩していてる。
それぞれ問題があってつらい思いをしながらも生きている。
そして数字を解読して人類の危機から愛する人や同じ種を守ろうと奮闘するジョンだけど結果として何一つ報われない。

ある意味すごい映画だよな
世の中には主人公の力をもってしてもどうにもならないことがあるんだよ
と言われてるようだ

そういえばそうだね
一般的にはなんかしら主人公の努力が報われるのが当然みたいなとこあるはずだけどこの映画はジョンの行動は全くの無意味だったんだもんね結果的には

まあジョンが事故を防げないのも当然といえば当然だけど

50年埋められてしまったから?
もう少し時間の猶予があればあるいは

いやいや
あの数字は結果が書かれているだけで事故の手がかりは不明
あの数字が結果だけじゃなくて事故に至るまでの経緯 (計算式) が書かれていれば結果を変えられる事ができたかもしれない

あーそういうことか
起こった場所に結果を確認しに行くことしかできないわけだね

そうそう
宇宙人にとってはあの事故の一部を防いだところで最後のフレアは防げないし
人間へのファーストコンタクトとして通信の実験でしかなかったんだろうな
適性をもった人間とのコミュニケーションを模索する宇宙人
いくら高度な文明をもった宇宙人でも最初から人間とコミュニケーションが取れるわけではないはず。
宇宙人は色々と試行錯誤したはずだ。
おかげでルシンダのころは数字を受信して出力する程度で語りかけてくるささやきは雑音でしかなかったけど宇宙船に乗り込むころのケイレブとアビーは宇宙人と直接脳内で会話できるようになった。
「この種を助けてみるか」
「言葉が通じないしまずは敵意がないというのを伝えるにしてもなあ」
「お?この子供は聞こえてるみたいじゃないか?」
「数字でなにか伝えてみるか」
「おお!出力してるぞ」
「交信できるかもしれんぞ!」
交信の手がかりをつかんだのもつかの間
せっかく出力した紙を50年も埋められてしまう。
宇宙人はこういったに違いない。
50年埋めんなやwww
50年埋められたら地球崩壊までマジギリギリなんですけどw
どうやら50年の間に進展が無かったところをみると受信能力のある人間はそうそういないらしい。
保護して新天地に連れて行ってもまだまだ子供の人間2人きりなんだから色々教えないと文明を築けるとは思えない。
おそらく宇宙人は人間の文明なんかも記録してあってケイレブとアビーに継承させるはずだよねわざわざ救ったんだから。
すると色々教えるためにも意思の疎通がとれないとならないわけでケイレブとアビーが選ばれたんだ。
人間視点でみると遺伝子的に健康な人間じゃなきゃいけないと思いがちだからケイレブの耳が不自由なのが気になったりするわけだけどそんなことは宇宙人にとっては関係ないんだろうね。
あとは新天地の環境に適していないとならないってのも重要だねすぐ死んだんじゃ意味がないし。
そう考えるとジョンが連れてってくれと言っても。
「連れてってもあんた死んじゃうよ?」
って事だったとも考えられる。

宇宙人はなぜ報道上の犠牲者数を知っていたのかがひっかかる

実際の死者数と報道の死者数というのは関係ないけど予測という方向で天気予報の面白い話を聞いたことがある

ふむふ

天気予報の話だけど
天気予報って発表する期限があるから途中で発表することになって精度がある程度の線を超えないけど
あれをもっとコンピュータに計算させると100%に近くなっていくという話を聞いたことがあってね

なぬ

そんな感じであんな高度な文明を持っていたらある程度の出来事を “予報” できる技術があっても不思議はないんじゃないかと

なるほど
予言じゃなくて予報か
あんな訳の分からない動力の宇宙船を開発するぐらいのテクノロジーの持ち主だもんね

あと天気予報で言うと
今新型コロナの影響で飛行機が飛ばなくなってるじゃん

そうですなあ
原油が値崩れするぐらいに需要がなくなってるぐらいだし

飛行機って飛んでるからついでに気象データもとってたらしい

するとまずいんじゃないかい

そのせいで今後の天気予報の精度が落ちるんじゃないかという話があるらしい

飛行機は人とモノだけ運んでるんじゃないんだね
宇宙人はなぜ地球の生命を保護しに来たのか

宇宙人がなぜケイレブとアビーそして地球の他の種を保護しに来たのか。
映画の中では特に理由はえがいてなかったけど宇宙人側からの視点でも考察してみようと思う。
あの宇宙人がケイレブとアビーの子孫説
映画「ターミネーター」みたいに宇宙人は未来から来てて先祖であるケイレブとアビーの危機を救いに過去にきた説。
すると数字の羅列の死者数が報道の死者数と一致してる事についてつじつまが合う。過去を知っているというこで。
でもジョンが妻を失ったりお父さんが牧師だったりって設定があったうえで箱舟的な宇宙船でケイレブとアビーが新天地へ運ばれて
二人はいかにもアダムとイブだし大きな木は禁断の果実にしかみえない。
そしていっぱいいたほかの箱舟が乗せてるのは人間じゃなくて他の種のつがいっぽい。
宗教的要素を散りばめておいて人間と宇宙人が交配するとか反則だよね。
だからこの説はないだろうなあ。
最後の新天地のシーンで他の種も保護されてるぞってなって
ゲームの「リンダキューブアゲイン」を思いだした人いるかな?
あれは1種の生物に対して1隻じゃなかったけどw
あれ難しかったなあ。捕獲忘れのレベルの低い生物を後で捕獲しようと思ってもぐちゃっと飛び散っちゃってねえ。
人間が絶滅危惧種の動物を救おうとするのと同じ説
いろんな映画でよく人間に干渉して助けてくれる宇宙人。
侵略タイプの宇宙人は地球の資源が欲しいってのが多いよね。
助けにくるタイプはだいたい地球が滅びるときだけど2016年の映画「メッセージ」みたいに将来自分を助けてもらうために人類を生かしておく必要があったというのもあったね。
ゾンビ映画がもうゾンビの設定の説明がいらないように人類を助ける事が当然に出してくる宇宙人の設定はもう自然と受け入れられる時代になりましたね。
捨て猫を拾う感覚で助けてくれる。または傷ついた鳥を治るまで面倒をみる感覚。
やっぱり高度な文明をもって生物として死ぬ確率が下さがると他の種を心配する余裕が出てくるよね。
そんな人間をはるかにしのぐ文明をもっていたらそんな感覚でほかの星の生命体におせっかいとか自然にありそうじゃないですか。
人間は地球をコントロールしようとするように高度なテクノロジーで移動手段も発達してるからあの宇宙人は銀河レベルとか宇宙レベルでコントロールしようとしててもおかしくない。

それにしても宇宙人が高度な文明をもってるならジョンを説得するとか安心させてケイレブを保護するとか手段があるんじゃないかなw
無言で追いかけまわしたりしたら警戒されるよそりゃ

まあそこはほかの種のルールとかわからないだろうしな
人間が野良猫を保護するときだって病気がうつるまえに早く母猫から奪うとかするぐらいだし

でもそんなもんか
あんなに高度な文明をもった生命体からしたら人間なんか人間からみる保護動物みたいなもんかもしれないよね

まあよく頑張ったんじゃないかな宇宙人は無事作戦を遂行できたし
地球がこうなるよって直接映像でケイレブに見せたりして説明してたりしてたし

あれで地球の生物の保護を失敗してたら大変なことだ

それはダメだろww
ジョンの行動が結果的に全部無意味ってだけでも型破りな映画なのにw
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?