やあヘビだよ。今回はNetflixオリジナルのSFサスペンスなスペイン映画2018年「嵐の中で」の感想。
Netflixの紹介文には
「ビデオカメラと殺人事件。時空を超えて1人の少年の命を救ったことで、愛する人が跡形もなく消え失せる…。」
と書いてあってSFモノだろうなと思いながら見始めたんだけどそんな生易しいものではなかった。
簡単にいうと過去を変えたことにより現在が変わってしまうとSFなんだけど実はこれ話がかなり入り組んでますはい。
主人公のベラが25年前に死ぬ運命だった少年を救う事によって現在で自分の愛する娘がこの世界に存在しなくなってしまう。
あわてて娘を探し始めるも周りの人は娘を知らないし自分のことを知ってるはずの人が自分を知らない。まるで他の全員に自分が騙されてるかのような事態。
これは怖いですねえ恐ろしいですねえ。
真実がわかったときの愛する娘を取り戻すための究極の選択。
そして自分の唯一の理解者であるベラを25年探し続ける少年。
この映画はただのSF映画じゃなかった。
時空を超えたサスペンスはとても入り組んで凝っているし壮大なラブロマンス要素もあってとても面白かったです。
3つのルートに変化するストーリー

25年前に殺人現場を目撃して死ぬ運命にあった少年ニコの死を防ぐことによって現在が変化してしまうお話。
過去を変えることで世界は3つのルートに変化することになる。
ルートA: 25年前にニコが死亡していたルート
主人公のベラが夫のダビドと娘のグロリアとの3人で中古の家に引っ越してきた。
ベラは出産したことによって学校をやめて脳外科医の道を諦め看護婦として病院に勤務するお母さん。
そしてまだ引っ越しの片づけも終わっていない日にに25年前と同じような嵐が上陸しようとしていた。
引っ越してきた家には古いテレビとビデオカメラとテープが入った箱が置きっぱなしになっていた。家族3人でテープを再生してみるとギターを弾きながら歌う少年が自撮りしたホームビデオだった。
3人はビデオを観終わって少しするとテープを取り出したはずの古いテレビから昔のニュース映像が流れだした。
もっと驚いていいんじゃないかこれ、、、
近所の友人アイトルとその母クララを招いて食事をしたときにアイトルがホームビデオの少年の話をしてくれた。
その少年はニコと言ってこの家に昔住んでいたアイトルの親友だった。25年前の今日みたいな嵐の日に隣人の男が妻を殺したところを目撃して逃げたときに車にひかれて死んだという。
その日の夜に目を覚ましたベラは置きっぱなしの古いテレビからまた昔のニュースが流れている事に気づく。不思議な光景を眺めていると突然あのホームビデオの少年ニコがテレビに映る。ニコもこちらが見えているようで驚いていた。
ニコの話を聞いていたベラはニコが死なないように必死に家からでないように説得する。
ルートB: ニコが生存したルート
ニコが生存することによってベラがアイトルに出会うことがなくアイトルに紹介されるはずだったダビドと結婚してないルート。
出産しなかったので学校を卒業してベラは脳外科医になっていた。
でもベラはルートAの記憶しかない。
嵐の日に古いテレビを通じてニコを必死で止めたベラが気がついたところは病院のベッドの上だった。
脳外科医ベラは病院のベッドを使って仮眠をとっていたようだ。
「先生大丈夫ですか?」
「オペをお願いします」
みなが心配そうに顔を覗き込む。
手術室には脳外科医ベラが執刀する患者が横になっている。
でもベラはこの世界の記憶がないもちろん元の世界での看護婦の記憶しかいベラに手術などできるはずがない。
それよりもグロリアが心配になったベラは手術から逃げ出して学校へとむかう。
患者がかわいそうです。
学校へ到着したベラはグロリアの友達のはずのグレタや教師にグロリアの事を尋ねるけど知らないようだ。
「グロリアはどこ?」
チョーやべーっすこの女。
いきなり学校に侵入して娘はどこだと騒ぎ立てる。
ダビドの勤務する会社に行ってダビドをみつけたベラは
「ああアナタよかったわグロリアは学校にいないし教師は私を知らなかった!!グレタもグロリアを知らないって!!グロリアはどこなのおおおお!!!」
ダビド
「え?あんた誰?!」
ベラ
「ダビド私よ冗談はやめて!私たちの娘の事よおおおお!!!」
ダビド逃げてー!
この世界ではダビドと結婚していないのでベラはいつ病院にぶち込まれてもおかしくない女になってしまっている。
怖いですねえ。
警察に相談にいったけど刑事の話ではグロリアが出生した記録もダビドと結婚した記録もない。
刑事「君の話した人生は君の頭にしかない」
ルートC: ニコが生存したうえでルートAの続きのルート
グロリアを取り戻したいのでルートBを強制終了したベラはダビドとグロリアと生活する元の世界に戻っていた。
ニコは事件を目撃することなく死なずにすんだ。
アンヘル達はヒルダがベルリンで生存してるように偽装してクララと再婚。
ダビドはルートBと同じように同僚の看護婦と浮気していた。
ベラはルートBと同じようにプリエト食肉処理場で白骨死体を掘り起こして通報する。

自撮りしてたはずが知らない女の人が映ってるとかオカルトすぎるw
しかも今日外に出たらおまえ死ぬぞとか言い出す

年頃の少年が若い知らない女とテレビで交信とかドキドキするかもしれませんよ

ほほう、、、
まあ25年間探し続けたのは自分の証言を証明するためだけではなかったかもしれないな

しかしルートBの始まりは怖かったなあ

あのシーンは
もしかして幻覚落ちなのか?とか観ている人をうまく誘導してるね
障害がありますって答えが出ると思ってみてないんだけど一度否定されると深読みしちゃう

うんうん
すごい深読みした

ルートBのニコとベラって夫婦ってわけではないんだよねきっと

ベラが飛び降りる前のフラッシュバックのシーンで結婚式みたいなのがあったから結婚してんじゃないかな

結婚してたらベラのオフィスにニコの写真があるんじゃないかと思って

あれはニコがフェル先生に相談したって言ってたからなんかしら記憶を思い出させる方針として結婚してる痕跡を消すために写真を隠したんじゃないかな
じゃなかったらベラが警察署に来た時点でニコが俺たちは夫婦だぞって言ってもよかったはずだし
ひそかに散りばめられたヒント

よくよく観直してみると刑事がニコだというヒントがあったね。
刑事のスマホに入っているベラの写真
刑事がこの女性をみませんでしたか?とスマホのベラの写真をプリエト夫妻に見せるシーン。
よくよくみるとベラが笑顔で来てる服が違う。
私物のような写真をみせてるんですねえ。
そもそも刑事が人を探すときにスマホって時点で警察の資料っぽくないとも思ったけどまあ今の時代警察が資料をスマホに取り込んでてもおかしくないか。
愛用の腕時計
ヘビは2回目に見てもまったく気づかなかったんだけどカメレオンが時計の事を言ってたんだ。
少年ニコがつけてたチプカシ。
嵐があとどれくらいの時間続くかを確認してたね。
そして二番目の世界でベラと刑事が教授に時空のワームホールの説明を聞いた後
ベラが刑事に時計貸してといって刑事が出した時計がチプカシ。
むむむ。気づいた鋭い人はいるのかな?
あと2回目に見ると教授が
「ニコのお母さんが会いに来た
息子がテレビに現れた未来の女性に命を救われたと言ってると」
って言った時の刑事の反応がすごく不自然に何か知っているようにみえるねえw

ヒントといえばさ
ルートBの警察署でベラが刑事に相談したシーンの最後にホワイトボードが映って
“ウトレラでの少女死亡事件いまだ解決せず”
って書いてあってダビドの写真が貼ってあったけどあれはなんだったんだろう

それがわからんのですよ
ダビドは娘を失って看護婦と浮気するようになったんだろか

ダビドが容疑者って感じではなさそうだったよね

他の紙の文字が読めないから関連がわからんのですよ

あと最初のほうのシーンでダビドが家に帰ってヘッドフォンして荷物整理してるとこにベラが来てビックリさせるシーンでダビドが指をケガしてたけどなんか後につながりがあったのかな

あそこは
のちのニコにとって手がかりになる駅の看板の存在を明示させるって事と
ベラがドクターロイになるはずだったという会話を引き出すシーンですな

ふむふむなるほどそういう事か
アンヘル視点で観てみるととんでもない話だ

この映画の前に観たのが「その住人たちは」でアンヘルの役者がでてたせいもあるんだけど妙にアンヘルの存在が気になりましてね。
というかアンヘルが気の毒になっちゃってw
まあアンヘルが自宅ににクララを呼んで浮気してたから自業自得でもあるんだろうけどアンヘルもクララもヒルダを殺す気はなかったわけだよね。
ヒルダが持ってきた包丁をクララが取り上げてもみ合ってるうちの事故でヒルダに刺さって二階から落ちてしまう。
でもその後なかなかのことやってるよね。
アンヘルはクララも守るために空港関係者のクララの兄も巻き込んで壮大な計画を練る。
この偽装ストーリーにスポットをあてれば一本の映画になるぐらいのことはやっていた
ヒルダの遺体はアンヘルがバラバラにしてアンヘルが所有する食肉工場の地下に埋める。
そしてもともとヒルダは帰省でベルリンに行く予定だったのとベルリンの壁が崩壊して身分証を提示するだけで壁を行き来できる状態を利用した。
ヒルダのパスポートを偽造してクララがヒルダになりすまして一度ベルリンにとんでヒルダがベルリンで生存しているように偽装するというもの。
詳しいところの描写はなかったけどこれによって25年間ヒルダはベルリンで生存してることになっていた。
ところが25年経った時にいきなり警察に呼ばれると変な女がヒルダの白骨死体を掘り起こしてこいつが犯人ですとか言う。
なんだよもうチートですよw
アンヘル訳が分からなかっただろうなあw
「はああああ????」
こう言ったに違いない。
アンヘル、クララ、クララのお兄さん
この3人しか知らないはずなのに疑心暗鬼になるw
ここからさらに一本の映画ができそうだ。

アンヘル側でみたらクソストーリーだよなw

アンヘルついてないなあw
いきなり警察に呼ばれて証拠が出てるとか死ぬ
警察署で全部脱いで叫びながらブリッジしたに違いない

稲中かよw
まあでもベラにとって許せなかったのかねえ
あれだけのことをして何事もなかったかのように暮らしてる二人が
ベラが娘に会いたいの一点張りでニコを振り回す

ベラが最後までお母さんだったねえ。
娘に会いたい娘を取り戻したいの一点張りで映画の大半を行動してる。
なにも聞き入れないニコの説得も聞き入れないで自殺。
娘がこの世界に存在してないことが耐えられないんだねえ。
まああんなに可愛い娘だったら仕方がないのかもしれない。
ニコが不憫でならないよね。
ニコを助けて人生に干渉しといて最後は去っていくんだから。
殺人事件を警察に信じてもらえないどころか何年も病院にぶちこまれて。
そこからベラをみつけて付き合って刑事になったと思ったらある日突然ベラが変なことを言い出して目の前で自殺。
ベラが二番目の世界に行ったときの演出でパラレルワールド設定じゃなさそうなのが救いだね。
これパラレルワールドだったらベラに自殺されたあとのニコがかわいそうすぎる。
しかもそんなベラが元の世界に戻ったら自分に好意を持ってたアイトルのお母さんを警察に突き出す。
そしてダビドが浮気してるとわかったらまたニコのところへ戻ろうとする。
なんて観方をしてみるとベラがめちゃくちゃだねw

いやあわからなかった刑事がニコだったとは
刑事が駅のホームに座り続けるまで気づかなかった

刑事があまりにもベラに献身的すぎるなとは思ったけどまさかね

後から映画的に考えれば刑事しかないだろとは思うけどw

そうかもしれないw

それよりアイトルの扱いがひどくないかw

アイトルかわいそうだよね
親友が死んじゃうし
ベラを紹介したらダビデにとられちゃうし

ルートBではニコに電車の席を奪われてただの立つ人になって

ルートCではお母さんを警察につきだされ

立派に機長になったのに
なにか一つでもいいことがあってほしかった

しかしニコの人生は壮絶だよな
ルートBでニコはいつかこうなるんじゃないかと恐れていたみたいなこと言ってたよね
ニコは自分が死ぬルートAのベラの人生を知らないわけだからベラの記憶との答え合わせに関してはある意味手探りだったんだ

ベラがいきなり娘がとかダビドが夫とか言い出して
演出の都合もあるけど無関心無表情を装ってたけど
つらかっただろうねえ

ベラと記憶の答え合わせが進むにつれてどんどん不安になっていくな

そしてルートCではベラに会うことも許されず隣人の殺人に関してなにも感じないふりをして生きていく
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?