ホラー・パニック

ノー・ウェイ・アウトのネタバレ感想と考察 Netflix 胸糞注意とはこのことではないか。あまりに救われないアンバーが悲しすぎる

やあヘビだよ。
今回は2021年のイギリスホラー映画「ノー・ウェイ・アウト Netflix」の感想。
原作は2014年アダム・ネヴィルによる小説「No One Gets Out Alive」。
2018年の「ザ・リチュアル いけにえの儀式」の原作と同じ小説家。


アンバーは故郷のメキシコで病気の母の看病のため大学進学を諦めるしかなかった。
数年が経ち母が亡くなったのを機に自分の人生を取り戻すべくアメリカに不法入国した。
低賃金の縫製工場の仕事についたアンバーは広告をみて女性限定格安物件に入居する。
そこは老朽化が進んだ屋敷の一室だった。
程無くしてアンバーは “石の箱” の悪夢をみるようになる。
その ”石の箱” はほかの住人の夢にも出ている事を知る。
悪夢はエスカレートし現実にも起こり始めた。
不法移民でお金に余裕のないアンバーはここにとどまるしかなかったが、、、


この映画は主人公アンバーの人生の暗さを象徴するかのように暗くどんよりとした映像が続く。
お金がないので怪奇現象が起こる屋敷から引っ越すことができない。
不法移民なので頼る先もなく警察にも助けを求められない。
逃げ場のない境遇は
2020年「獣の棲む家」のようだ。

不気味な古い屋敷のなかで徐々に真相が明かされてゆく感じがちょうどよく飽きさせない。
1時間27分って映画としては短いはずなのに不思議と物足りなさは感じなかった。

最初から怪しすぎる経営者のレッド。
助けを求める声は亡霊なのか人間なのか。
ほかの住人はグルじゃないのかそもそも生きた人間なのか。
など色々と楽しませてくれる。

さらに興味深いのが主人公アンバーや屋敷の経営者レッドの人物像だった。
同情せずにはいられないレッドの悲惨な境遇。
また救いようのないアンバーの人生について妄想まじりに語っていこうと思う。

なめらかに加速していく怪奇現象はお見事

不法入国したアンバーは資金が尽きそうだったので格安物件の古びた屋敷の一室に入居する。
すると”石の箱”の夢を見る。
それから不審な物音や助けを求める声が聞こえるようになる。
あやしすぎる経営者レッド (ジェイムズ・ヘットフィールドに見えて仕方がないけど見比べると全然似てない) が女性限定で入居者を募集しては殺してるのでは? (そのまんま)
と観ているとレッドの部屋のオープンリールデッキや本から映画冒頭メキシコ遺跡の話とつながってくる。
それからもう否定できないほどハッキリと亡霊が見えて、というか屋敷に染み付いた過去の惨劇が見えてアンバーは屋敷を出る決心をする。

ここまでで映画の半分ぐらいなんだけど怪奇現象の頻度やあからさま度が滑らかに加速していくような感じですごく上手いなあと思った。

時折聞こえてくる声にしても
冒頭で過去の犠牲者のシーンを見せてるから気のせいじゃないってわかってはいても、
気のせいかな?
いや聞こえるな気のせいじゃないな
幽霊なのかな?
生きた人間の声じゃないか?
てな感じに見ながら盛り上がっていく感じが面白い。

亡霊なんか最初はアンバーが気付いてない感じに画面の後ろにいる感じだったのが
だんだんとアンバーに触れるようになっていつの間にか思い切り見えちゃってる。

こわいよねえw

もう直接的に見せちゃっても萎えないような準備をしっかりしてきたような感じで見事だなあと思った。

ヘビ
ヘビ

マリアとペトラって最初の方はレッドとグルみたいに怪しくなかった?

カメレオン
カメレオン

どこがw

ヘビ
ヘビ

レッドが買ってきた酒を受け取るマリアの距離感が近すぎる感じがして

カメレオン
カメレオン

ああ
アンバーが連れ戻されたとこのシーンか

ヘビ
ヘビ

まるで同棲カップルのようにレッドが買ってきた袋を受け取って、
マリア「ワインはどこに置く~?」
レッド「そのへんに置いといてくれ」
とか言ってたから

カメレオン
カメレオン

確かにへんなシーンではあったなw

ヘビ
ヘビ

もうアンバーにバレそうでここでカタを付けるから関係性を隠す必要もなくなったってシーンかと思った

カメレオン
カメレオン

まだ殺されると知らないし普通に仲がいいとか

ヘビ
ヘビ

そうか
べつにレッドは嫌な奴ってわけでもなさそうだしね

救いようのないアンバーとレッドの人生

レッド

レッドとベッカーの父親で考古学者のアーサー・ウェルズ教授は1963年にメキシコの遺跡から “石の箱” をこの屋敷に持ち帰っていた。
研究を重ねるうちに生贄の捧げ方に気付いたのだろう。
アーサーは “石の箱” に生贄をささげる使者となった。
この屋敷に何人もおびき寄せては生贄にした。

そのころからアーサーはメアリーにつらく当たっていたんだろう。
それを見ていたレッドは父アーサーを憎み衝突したがベッカーが守ってくれた。
子供だった二人は生贄の事をまだ知らない。

一度出て行ったレッドとベッカーだけどベッカーの病気と貧乏ゆえにまたこの屋敷に戻ることになる。
そして二人は儀式の事を知る。

おかしくなったアーサーはメアリーを殺害。
幼いころから母につらく当たっていたのを見てきたベッカーは我慢も限界になりアーサーを殺害。
レッドの手を汚させないためでもあったんじゃないか。
おそらくお前も犠牲になった人たちの苦しみを知れとばかりにアーサーを生贄にしたんだろう。
するとベッカーは次の使者となり体は修復され病気も治ってしまった。

幼いころからレッドを守ってくれたベッカー。
そして自分が殺人犯になるのを阻止してもらったレッドはベッカーを見捨てるなんて選択肢はない。
ベッカーの使命を手伝うようになった。

レッドは人殺しをしたくはないけど幼いころからヒーローであるベッカーの体を保つためにも続けるしかなかった。

アンバーとエンディングの悲しみ

母親が病気になってしまったために大学進学を断念したアンバー。
娘に依存しすぎた母だったからかなりの負担だっただろう。
やっと自分の人生を取り戻そうとやってきたアメリカで生贄の屋敷に入居してしまう。
同僚にお金をだまし取られるしやっとみつけた仕事はクビに。

アンバーが生贄になりそうなときに夢に出てきたいつもの病院の母の記憶。
そこでは母の手が邪悪な化け物のようだった。
それは実際アンバーにとって大好きな母親だったけど自分の人生を拘束する邪悪な化け物でもあったのかもしれない。
その化け物と決別することでやっと気持ちに整理をつけた。
これこそが人生を再スタートする儀式になった。
人生の再スタートはアメリカに来たことじゃなくて今このときだったんだ。

それなのに、、、

足を引きずりながら玄関までたどり着き新たな人生の始まりを象徴するかのような日差しを浴びる。
ところが折れた足は元通りになり自分に流れる邪悪な運命に気付く。
やっぱり自分の人生はダメだった。幸せになる事を許されていなかった。

カメレオン
カメレオン

アステカ遺跡から頭を切り落として生贄にされたであろう遺体が出たって話があるから、
頭だけを食べる化け物って発想がつながってなかなか面白かった

ヘビ
ヘビ

なんだろねあれ
人間みたいな手で歩きそうだったけど

カメレオン
カメレオン

生贄って恐ろしい何かを鎮めるためにやったりするもんだから、
なにか逆らえない恐ろしい者なんだろなあ

ヘビ
ヘビ

定期的に生贄をささげないとまた具合悪くなる焦りみたいなのを
ベッカーから感じたし逃げることはできなそう

カメレオン
カメレオン

そうだねえ
逃げたところでベッカーの病気が復活するんだろうし

ヘビ
ヘビ

やだなあアンバーには幸せになって欲しかったけど
石の箱の使者になってしまうなんて

カメレオン
カメレオン

使者を引き継いでしまうとか
2008年「ミッドナイト・ミート・トレイン」みたいだな

ヘビ
ヘビ

それだ
あれは任命する化け物みたいなのがいたね

ヘビ
ヘビ

でもアンバーはこれからどうするんだろう
不法入国の立場で生贄を用意するとか大変そうだし
外に出て買い物とかできるのかな

カメレオン
カメレオン

ベッカーが外に出れないから
身の回りの世話を全部レッドがやってる感じがあったよな


あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?


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