解説
マドンナやレディー・ガガなどのミュージックビデオを手がけるジョナス・アカーランド監督による2019年1月に配信されたNetflixオリジナルスリラー映画。
主演は「007 カジノ・ロワイヤル」で血の涙を流す悪役で話題になり、「ドラマ版ハンニバル」のレクター博士役などで実力を知らしめたマッツ・ミケルセン。
主人公の寡黙で孤独で冷酷な中にも人恋しさが垣間見れる人間らしさをマッツ・ミケルセンが絶妙に演じている。アクションシーンはスタイリッシュで美しく、少々ユーモアを散りばめた爽快な仕上がりになっている。(グロ注意)
モノクロな印象を与える主人公とは対照的に癖のある若手の殺し屋やボスなどカラフルな人物が登場し、人間性を色で表現してるかのような印象を持つ。街並みの色とバックの雪山、物の色と影など、ひかりと闇、モノクロとカラーの対比の美しさも魅力の一つ。
ただのスタイリッシュアクションではなく、愛着のわく登場人物、そして主人公の過去の罪苦が明らかになって行くところのカビ臭さは良い意味で正統派なバイオレンススリラーとも言えるだろう。
あらすじ
「ブラック・カイザー」の名で知られる凄腕の殺し屋ダンカンは定年退職を二週間後に控え、モンタナの雪におおわれた小さな町の山小屋で静かな余生を送ろうとしていた。昔の仕事の悪夢に悩まされながらも一人暮らしの隣人で内気な女性カミーユとわずかながらに会話するようになり平和な時間が流れるはずだった。
そんな中殺し屋のボスであるブルートからの現役最後の依頼ででベラルーシに飛ぶ。しかしこれはブルートが巨額の退職金を払いたくないがために引退間近のダンカンを殺すための罠であった。
居場所がバレないように山小屋に帰還したはずだったダンカンだが、慈善寄付の記録から居場所がバレてその夜に奇襲されてしまう。
ダンカンはなんとか若手の殺し屋たちを返り討ちにしたのも束の間、カミーユを人質に取られたことを知る。
キャストの紹介
ダンカン・ヴィズラ
(マッツ・ミケルセン)
殺し屋の定年退職を二週間後に控えた「ブラック・カイザー」の名で知られる凄腕の殺し屋。
カミーユ
(ヴァネッサ・ハジェンズ)
ダンカンが引退後の余生を送る山小屋の隣人。
ヴィヴィアン
(キャサリン・ウィニック)
少しダンカンに気がありそうなミスター・ブルートの側近の女。
ミスター・ブルート
(マット・ルーカス)
ワシントンDCを拠点に殺し屋を抱える会社「ダモクレス」の経営者。会社は破産寸前で売却交渉を進めている。
ヒルダ
(フェイ・レン)
ダンカンを追う若手殺し屋の1人。ミスター・ブルートのお気に入り。
シンディ
(ルビー・O・フィー)
ダンカンを追う若手殺し屋の1人。セクシー担当。

カメレオンとヘビのネタバレ感想
ジョナス・アカーランド監督の映像美

この映画は映像がすごいきれいだね。やっぱりミュージックビデオをいっぱい撮ってる監督ならではなのかな

そうだね。この監督の作品の「レディー・ガガ Telephone」とか「ビヨンセ Haunted」とか見てみるとなるほど色味がきれいなんだよね

ダンカンとカミーユのシーンだけ色があんまり出てこないからすごく2人の雰囲気が感心するぐらいうまくでてる

2人のシーンの色が少ないことによってちょっとの色がすごく際立ってるね。レストランのマスタードとケチャップの色とか店の看板の色とかがすごく生えていちいち美しい仕上がり

モンタナのお店の商品とかもすごい賑やかに見えるよね。あと登場人物の服もいろんな色が出てくるけど、服の色が着てる人の性格を表してるみたいなとこもあってわかりやすくていい仕上がりだよね
クールとコミカル

寡黙なダンカンのシーンと間抜けな暗殺者のシーンがすごくバランスが良かったね

ダンカンはクールだけどやる事はやるとこも面白かったし

シンディが潜入してきたシーンでは「やるんかい!」って思わず言っちゃうよねw

ダンカンが子供達にククリの使い方を教えるとこも最高だったなあw

「見たことあるかな… 3週間 陽に晒された死体を」

あるわけないだろw

「見てごらん」

見せんなw

「注意しないと顔がわからない。」ww
ダンカンとカミーユ

いやあすごいねただのバイオレンスじゃなかったね。ダンカンが度々苦しめられてるフラッシュバックに出てくる車に乗ってたのはカミーユの家族だったんだね

ダンカンは情報どおりに標的の車を襲撃して標的を始末したと思ったら標的の家族も一緒にいてしかも子供1人が生き残っていた。それがカミーユだった。どっかでみたようなシーンでもあったけど

その事を悔いていたダンカンはカミーユの学費をこっそり払い続けていたんだね。これがダモクレスの会計士が言ってた「今年も同じ事前寄付を額は20万ドル?」ってやつだったんだ。そしてそのお金を辿ってダンカンの追っ手もカミーユもダンカンの山小屋があるモンタナに来ちゃうわけだけど

うんうん。カミーユは復讐するためにモンタナのダンカンの山小屋の隣へ越してきた。でもダンカンと話をするうちにダンカンが悪人じゃないと知ってしまって復讐の決心が揺らいでしまう

カミーユ役のヴァネッサ・ハジェンズの演技力がすごいよねえ。最初にこの映画を観たときはカミーユがいつから隣人のダンカンが仇だと知ったのかなと思ってダンカンに出会った時のシーンを回想したりするじゃん

初見だとモンタナのお店でカミーユが初めてダンカンに会うシーンのカミーユがダンカンに一目惚れしたかのようにも見えるんだよね。そしてどんどんダンカンに惹かれていったところでダンカンが仇だと知るカミーユの苦悩をみてとれる。そんなふうにみえるんだけどオチを知って2回目に観た時はついに仇であるダンカンを見つけてしまったカミーユになるんだけどそれでもカミーユの表情がしっくりくる

実際は積年の恨みをぶつけるべくダンカンを追ってきたカミーユがついにモンタナのあのお店で仇にばったり会ってしまった。っていうシーンだったんだよね。
オチがわかった上でこの映画をもう一回観るとまた別の感じで楽しめちゃうね

この映画は絶対に2回は観ないと損だね

カミーユが好意を持ち始めたダンカンが仇だと知ってしまった悲しみなのか、最初からわかっていたけどダンカンが悪人じゃないと知って葛藤する悲しみなのか、とか観る側が勝手に想像して観る楽しみもあるね

「隣人なんて奇遇ね。」「本当に奇遇ね」って連発してる時のカミーユの心情なんかも2回目に観た時によくわかって面白いね

最後のシーンが続編を期待させるような感じになってたね。
カミーユ「父の殺しを依頼した人は?」
ダンカン「知らない。」
カミーユ「探せる?」
ダンカン「やってみるか。」

うんうん続編ができるといいなあ。
ダンカンは次の標的を得てカミーユがパートナーになる。ある意味観る方にとってはダンカンにもカミーユにも死んで欲しくなくなってるから救われるエンドだったね

カミーユが最後にダンカンを撃たないで壁かどっかに発砲したことによって長年苦しんできた心に整理をつけたんだね

最後の広いポーチでの2人が過去を整理して未来に向いてるような表情で最高だね