やあヘビだよ。
今回は2020年Netflixオリジナル韓国ホラー映画「ザ・コール」の感想。
2019年、主人公の女性ソヨンが電話を受けた相手は1999年の同じ場所に住んでいる女性ヨンスクだった。
時空を超えて知り合った二人は会話を重ねるうちに友情が芽生えていく。
そんな中ヨンスクは1999年なら死んだはずのソヨンのお父さんを救う事ができるかもしれないと提案し成功してしまう。
すると現在ではソヨンのお父さんが死なずに一緒に過ごしてきた世界に変わっていた。
ソヨンはヨンスクに感謝し幸せになったと思われたが次第に電話に出る事が少なくなってきたソヨンに腹を立てたヨンスクは恐ろしい行動に移ってゆく。
この映画は過去を変えると現在が変わるというおなじみのSFがベースのヒューマンドラマ的怖い話。
役者の演技がすごいのとテンポがよく映画の世界観の説明を短くうまく表現することで自然とのめりこませてくれてとても楽しかった。
そんな登場人物の考察や表現の良さなんかを話していこうと思う。
ちなみにすごくうまくできた映画なので勝手にベテランの監督を想像していたけどリー・チョンヒョンウという若い監督らしいですよ。
暗い暗い主人公から伝染したような暗い暗い田舎

2019年、ソヨンは母が入院する病院を尋ねるため今は誰も住んでいない実家へ来ていた。
電話を受けると母親に虐待を受け助けを求める同じ年頃の女性だった。
しかしこの女性は過去の世界1999年にこの家に住んでいるソヨンという女性だとわかる。
ヨンスクと通話するようになったソヨンは会話を重ねるうちに共感する想いなどから中は深まっていった。
そんな中ヨンスクはソヨンのお父さんがまだ生きている1990年なら救う事ができるかもと持ちかける。
この映画は導入からどんよりしてて不気味ですごく良い。
主人公のソヨンは幼少期に母親の火の不始末による事故で父親を亡くして自身も重度の火傷を負っていていまだに母親を許せないでいる。
そんな心の闇を反映するかのように久しぶりに訪れた故郷の田舎もどんよりしている。
また登場人物もみんなどんよりしている。
そんな導入から少しすると明るい兆しが見えるようなシーンになる。
時空を超えて知り合った同い年の女性同士がコードレスホンを持ちながらゴロゴロして自分の環境や好きな曲の話で盛り上がるちょっとホッコリするシーンはこれからの展開の前に良い具合に油断させられた。

地下室が登場したことでオカルト的ホラーになるかと思った

「この家には秘密がある」
って事ではなくヨンスクの手帳を映画に持ってくるための場所だったね

うんうん
地下室としては特に意味があるわけではないもんね

この映画は多少強引に映画に必要なアイテムをボンと持ってきちゃうとこが素晴らしい
観てる人が飽きる暇を与えない感じがした

補足に力を入れちゃうと本筋のドロドロ人間関係ホラーが薄れてしまうもんね
時間は戻らないやりなおしは効かない

1999年のソヨンのお父さんの事故死を未然に防いでくれたヨンスクだったが
境界性パーソナリティー障害のために次第に電話に出なくなるソヨンに腹を立てて変貌してゆく。
この映画では過去の時間の経過と現在の時間の経過が完全に一致して進んだ上に、過去に発生した事象が現在にリアルタイムで影響を及ぼす。
なのでこれ系の映画って現在から過去にさかのぼり、そして現在に戻るときは出発した日時に戻るのが定石だからやり直しが何回でも可能なんだけど、
この映画はそうじゃない取り返しがつかない。
ソヨンが犯罪者を止める事のできない立場にいるからすごくスリリング。
ソヨンは電話で「やめてー!」って言う事しかできないんだ。
ソヨンが当時の爆発事故現場へヨンスクを誘導したのはよくやったよね。
失敗はしたけど直接過去に行けない状況でどうやってヨンスクを殺害するかよく考えたと思う。
話がそれたけどこれらのSFの設定が科学的ではなく安易なようでいてすごくわかりやすい設定になってる。
過去で手形をつければ現在この瞬間に手形が出てくるって映像でさりげなく説明してるとこもうまいよね。
そうかと思えばお父さんが存在するとこと存在しなくなるとこのシーンはかなり凝ったCGを使うようなメリハリも良かった。
警察手帳を交番から盗むのは強引だったけど、過去が変わると警察手帳の文章が変わっていく事によって現在が変化する演出の準備に時間をかけないってとこがうまい。
飽きさせないねえ。
→ 暗い主人公が暗い田舎に帰郷
→ 電話の主は過去からの女性ヨンスク
→ 友達のようになる
→ 死んだお父さんを救ってもらう
→ お父さんが殺される
→ 実はお父さんが死んだのは母親じゃなくてソヨンが火をつけてた
→ これ以上犠牲者がでないようにヨンスクを爆発事故現場に誘導するけど失敗
→ お母さんが助けてくれる
→ ハッピーエンド、、、、!?
テンポよく話が進んでいくから見ているほうは色々予測して
そうなるのかな?ならないのかな?大丈夫かな?ダメかってのが丁度よくくる。
良い具合にまんまと映画の世界の中で踊らされる感じですごい夢中になれた。

なんか昭和の少女漫画を思い出すような感じだった

人間の影の部分を書く感じかな

そうそう
仲良しの友達が何かあって恨みを持つってのも少女漫画の王道みたいで面白かった
役者の演技がよかったのもあって人物の描写がしっかりできてたのも良かったな

ヨンスクが特によかったかわいいし
笑いながら消火器まいたりするんだけど苦しんだような顔がちょいちょい出てくるからただのサイコパスじゃなくて境界性パーソナリティー障害なんだなあって感じがしたし

苦悩とか罪悪感はありそうだったよな
でも消火器にこだわりを持ってるとこはサイコパスみたいな感じがした

消火器がいっぱいあるの不気味だったね
韓国では一般家庭であれぐらい常備してるもんなのかな

そんなわけないだろw
たぶん、、、
暗い傷を負った人たち

ヨンスクかわいいよヨンスク
、、、、、
登場人物それぞれの人物像がわかりやすく説明できてたのは脚本のうまさもあるんだろうなあ。
そしてもちろん役者の演技もすごいから微妙な感情もよく伝わってくるようだった。
特にヨンスクの境界性パーソナリティー障害の微妙な感情の演技が最高だった。
自分の考える人との距離感などが当然みんな一緒だとだと思い込んでる様子が表情ひとつで説明できてるかのようだった。
ソヨンとヨンスクの人物像を独断と偏見で考察してみようと思う。
ソヨン
2019年で28歳。
幼少期に自宅の火事で父親を亡くし自分も火傷をおっている。
火事の原因は母親が鍋を火にかけたまま出かけたせいだと現在まで思い込んでいるが実際はソヨンが自ら火をつけていた。
幼少のシーンから母親はあまりかまってくれなかった感じがした。
それで幼いソヨンは気を引きたいために火事にしたけどお父さんが死んでしまうという予想外の大事になって耐えきれなくて記憶を改ざんしてたんじゃないだろうか。
ヨンスクがよっぽど母親が嫌いだったんだねって言ってたけど幼いソヨンが母親を嫌いだったとしても、
あの小ささで鍋を火にかけっぱなしにして火事を起こせばお母さんの火の不始末が原因でお母さんが責められることになるというとこまで考えが及ぶとは思えないんだ。
なのでお母さんが嫌いだったから火事を起こしたんじゃなくて火事の後にお母さんのせいだという記憶をつくりあげて、大好きなお父さんを殺したお母さんを許さない。となったと思ってる。
ヨンスク
1972年生まれ。1999年時点で28歳。
なので実際はソヨンより20歳上。
警察の記録から境界性パーソナリティー障害と診断されてる事が判明する。
実の母親もなにか精神疾患があったようで精神病院に入ったまま亡くなってるっぽい。
その後今の養母がヨンスクを養子にとって自宅で自己流の怪しい治療を行っている。
養母の様子からしてヨンスクに愛情を持ってるとは思えない。
亡くなったヨンスクの母親の親類かなにかでしぶしぶ引き取ることになったんじゃないだろうか。
でもそんな養母でも予感は的中していた。
実際にヨンスクは何人も殺害することになる。
母親も精神病院に入ってたという事は遺伝的な何かがあって境界性パーソナリティー障害だけじゃなく他にもなにか精神疾患があるんじゃないかとも疑ってしまう。
そしてあの環境もよくないよね養母の接し方も含めて。
境界性パーソナリティー障害ならあの体罰のような養母の接し方は自己否定感が増幅することになるんじゃいか。
そのせいでこじらせて他の精神疾患も出てきたように思う。
境界性パーソナリティー障害の特徴として他人との距離感がわからなくて初対面で重い話を打ち明けたりという事があるらしい。
同い年のソヨンと知り合って色々話すうちに仲良くなったけど、
ヨンスクは閉じ込められた生活で暇という事もあって電話に出ないソヨンが理解できなく激怒した。
母親を恨むという共通点もあるソヨンを救ってあげたいとソヨンのお父さんを助けたのは純粋な気持ちだっただろう。
見返りを求めてたわけじゃなく自分が親身になるイコール相手も同じはずだと思い込んでいるから「なんであなたはそんなに冷たくできるの?」
という感情なんだろう。
でもこういう勘違いって誰しもあるんじゃないですかねえ。
余談ですけど、境界性パーソナリティー障害は衝動的にふしだらな行為をしたりする例もあるようで、
イチゴ農家のソンホおじさんは
「あ、え、ダメですよ」
とかいいながら毎回ふしだらな関係を期待してイチゴを届けに行ってたんだきっと。
現代でソヨンがヨンスクの写真をソンホおじさんに見せて質問したときの反応はそういう事だきっと。
近所の精神疾患がある娘さんとそんなことしてたと知られちゃまずいよね。
ヘビもヨンスクにイチゴを届けたいです。

実はお母さんじゃなくてソヨンがガスコンロの火をつけてたってのも怖かったなあ

空想虚言症?ってヨンスクが言ってたやつか
あれはゾッとしたなw

お母さんのせいでお父さんが死んだからお母さんを嫌いになったと思ってたら火事の前からお母さんが嫌いだったみたいにヨンスクが言ってたよね

実際どうだかわからないねあれはなにか関心をむけられたいアクションかとも思ったけど
テレビに暗示にかけられたような動きにもみえたし

あーそんな動きにも見えたよね夢遊病みたいな

そもそもヨンスクの話を信用していいものか

それはあるかw
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?