やあヘビだよ。今回は2005年のオカルト映画「エミリー・ローズ」の感想。
この映画は実際に1976年ドイツで起きた
悪魔が憑いた少女が死亡して悪魔祓いを行った神父が起訴されるという事件を元につくられている。
監督は「ヘルレイザー」シリーズ第5作の2000年「ヘルレイザー ゲート・オブ・インフェルノ」などの監督スコット・デリクソン。
精神疾患と診断されていたクリスチャンである少女の症状がよくならないのでカトリック教会に相談したところ悪魔憑きと判断され神父が悪魔祓いをするも失敗して少女の症状は良くならずに死んでしまう。
そして神父は医学的治療を妨げて少女を死に追いやったとして法廷で裁かれることになり弁護側は悪魔の証明を余儀なくされる。
普通のオカルト映画かと思ってたけどほとんどのシーンが法廷劇になっていて法廷で精神疾患か悪魔憑きかの論争が繰り広げられる。
そして法廷での証言で死亡したエミリーのシーンが再現されていく構成はとてもスムーズで面白い。
題材としても法律と悪魔という交わることが無いと思っていたというか無意識に二つが合わさること自体がタブーと思っていたものが法廷で議論されるというとても興味深い映画だった。
さらに法律と悪魔という現代的なストーリーに対して映像は1970年代のホラー映画をリスペクトしたようなクラシックなテイストに仕上がっていて1973年の映画「エクソシスト」とか1976年の映画「オーメン」を思い出す。
ただのオカルト映画だと思って見逃していると損をするんじゃないかと思うかなり面白いオカルト法廷ヒューマンドラマな映画です。
最初に断っておくけど、この映画は実話を題材に作られたものだけどヘビはあくまでもこの映画においてだけの感想と考察を話すもので実在の人物や教会や法廷をどうこう言うつもりは全くありません。
精神障害か悪魔憑きかエミリー・ローズの奇怪な症状

死刑確実と言われていたヴァン・ホッパーの無罪を勝ち取って注目を集めていたエリン弁護士はさらなる出世のために過失致死で起訴されたムーア神父の弁護を引き受ける。
< 事件 > |
教区司祭であるムーア神父は大司教の許可のもと、クリスチャンである少女エミリー・ローズの幻覚や自虐行為を治すため悪魔祓いに挑むが失敗してエミリーの症状は改善することなく死亡。 |
< 起訴内容 > |
過失致死 エミリーの死はエミリーが受けていた医学的な治療をムーア神父が妨げたため起こったとするもの。 |
エミリーは普通の女の子だったけど大学の寮に入ると目に見えない何かに押さえつけらるという経験をする。
それからというもの何かの存在を感じたり道行く人の顔が悪魔に見えたりひきつけを起こしたりするので薬による治療を受けていた。
しかしエミリーの症状は改善するどころか食事もとらなくやせ細り壁を引っかいたり噛みついたり膝を床に打ち付けたりと自虐行為が止まらなかった。
心配した両親は教会に相談すると悪魔憑きだと判断される。
教区司祭であるムーア神父がエミリー本人も効かないと言っていた医学的治療を中断して悪魔祓いに挑んだという事だった。
悪魔祓いの最中にガラスを破って馬小屋に移動したエミリーにムーア神父が名を名乗れというとエミリーとは思えない声でいにしえの悪魔が次々と名乗りを上げた。

エミリー役の人すごかったなあ
刺激が強すぎるからスクリーンショットを貼るのも断念した

うんこの顔はまずい
このジェニファー・カーペンターって人は2008年の映画
「REC:レック / ザ・クアランティン」
の人なんだよね

そうなんですよ
消防署で紅一点のあんなにエロいジーパンの人がこんな事に

他の仕事が来なくなりそうなぐらい素晴らしい悪魔憑きの演技だったな
神父とそれぞれの関係

現代社会において悪魔の存在が大真面目に法廷に持ち込まれる事になって神父は難しい立場に立たされる。
味方であるはずの教会からは見放されて信者であるトマス検事はエミリーは医学的な治療を続けるべきだったのにムーア神父が邪魔をしたとして極刑を求めてくる。
そんな神父とそれぞれの複雑な関係について話してみようと思う。
神父と教会
悪魔祓いを許可した教会がムーア神父の弁護を依頼してきてエリン弁護士の事務所が引き受けたけど
教会は証言台で神父に証言してほしくないようだ。
しかも教会は検察が提案する司法取引を飲む事を望んでいる気がするぞ。
その司法取引とは過失致死の罪から保護指導の遺棄の罪で群拘置所に12か月へというもの。
神父なら問題行動なしだろうから実際は6か月で出れるだろうとのこと。
ムーア神父は教会に見捨てられて、、、
教会側は世間に神が悪魔に勝てないという思わせるリスクを負いたくないというよりも事件に注目が集まらないようにさっさと終わらせたいという感じがする。
現代の法律で悪魔の存在を白黒つけるのは前例ができちゃうから教会にとってリスクがでかいってのもあるよねきっと。
確実に勝てるなら話は別だけどそうとは限らないからね。
でもこれだと神父を見捨てるどころか教会は悪魔の証明を法廷でできませんと言ってるようなものじゃないか。
いきなり教会のバックアップなしで1人で戦わなきゃいけなくなった神父。
そして悪魔祓いに立ち会っていて証言台で劣勢をひっくり返せるはずだったカートライト医師が死亡。
入念にカートライト医師の死亡フラグを立てt
意義あり!誘導です。
エリン弁護士はカートライト医師から悪魔祓いを録音していたテープを受け取っていたけどこのテープが生きてただけでも奇跡だよねホラー映画的に。
せっかくの証拠の音声が撮れてないとか燃えちゃうとかよくあるもんね。
でも証言する予定だったカートライト医師だけどよくよく考えてみたらエミリーの発作は普通の患者と異質のもので恐怖だったとか悪魔の証明ができる説得力のあるものではなかったかもしれない。
それでも神父がいかにエミリーのために全力を尽くしていたかという話だったから情状酌量の要素の一つになっただろうけど。
神父とエミリー
ムーア神父は本気で全力で神の力を借りてエミリーの悪魔祓いを試みたけど助けられなかった。
精神障害か悪魔憑きかどっちにしてもエミリーを救おうという気持ちは真実だった。
ムーア神父はエミリーの自虐行為をやめさせて長い事拒んでた食事をとらせようとしていた
その術こそが悪魔祓いだったんだ。
ムーア神父が裁判でしたかったことはエミリーの希望であった手紙を通して神と悪魔の存在を伝える事であって
最初から裁判での勝ち負けは関係なかった。
神父はエミリーの最期の望みをかなえたかったのだ。
そこで毎回疑問に思うそもそもなぜ悪魔は人に取り憑くのかそしてなにが目的なのか。
日本の幽霊の話の場合は目的が明確なことがほとんどだよね。
- 殺された恨みを晴らす
- 巻き込んで同じ目に合わせる
もちろん文化の違いで理解できないってこともあるだろうけど悪魔の場合の目的がよくわからない。
- 苦しめて殺して悪魔の力をアピールする
- 神を信じるものを敵とみなして攻撃する
- 信者を使って人間社会を揺るがしたい
オカルト映画は好きなんだけどいつも悪魔が取り憑いた先の目的はなんなのかよくわからないんだよね。
神の力を弱めたいとするならば
悪魔の存在を知らしめたら逆に神の信仰が強くなって逆効果なんじゃないだろうか。
むしろ悪魔をアピールするよりも医学が進歩したほうが神の出番がなくなるんじゃないか。
でもそれだと悪魔の存在もまた無くなってしまうわけか。
うーむ。
神父と法律
法廷で悪魔の証明を迫られることになった教会サイド。
いつかはこんなふうに立証しなきゃいけない時がくるという事だったのかもしれない。
医者の証言ではエミリーが薬を飲み続けてれば命を落とすことはなかったといっていたけどエミリー本人の話では薬は効かなかったと言っていた。
だからムーア神父が違う方法でエミリーを救おうとしたわけだ。
結果的に薬を中断して悪魔祓いに失敗してエミリーは改善することなく死んでしまった。
効かなかった薬を飲み続けてそのままエミリーが死んでしまった場合は医者は起訴されることはないんだよね。
エミリー本人の希望で悪魔祓いをした神父が失敗したら有罪になるってのもなんだかねえ。
エミリーの症状を薬で抑えられれば医学の勝ちだったんだけどね。
薬で悪魔すら否定できるって事になるし。
意義あり!屁理屈です。

日本でいうと除霊になっちゃうけど儀式のときにお経を唱えるよね

ありますな

お経は悩み相談の答えみたいなとこあるじゃん
生きるというのは世界というのはこういう事だよみたいな

教えっていうぐらいだし物事の本質みたいな事を言ってたりするね
お経に詳しいわけじゃないけど

そうだよね
だからお経を唱えることによって取り憑いた霊を説得したりなだめて成仏させる感じじゃん

そうだね

それはなんとなく理にかなってると思うんだけど
悪魔祓いとなると聖書を読むけど聖書って物語だよね

聖書も全部読んだわけではないけど
誰それっていう聖人が何をしましたとかいう話があるのはちょっと聞いたことある

うんうん
だから物語を聞かされて悪魔がもだえ苦しむってのがよくわからんのですよ

なるほどね
もしかしたら苦しんでんじゃなくて嫌がってんじゃないか
異教徒だから

あーうるさいうるさい全く共感できない物語を聞かせんなくだらんって感じ?

いや知らんけどw
そこはやっぱり聖書になじみがないからわからないとこでもあるんだろうな
怖い話でも下地の話がわかってないと怖さも理解できないように
小さいころから聖書に慣れ親しんで当たり前のように物語がしみついてる人にはわかるのかも

やっぱりそういうとこなのかな
悪い結末からは逃れたエリン弁護士
死刑確定と言われたホッパーの無罪を勝ち取ってノリノリだったけどホッパーが再犯。
そしてトマス検事からの猛攻撃で劣勢に立たされたとこから有力な証言を得るはずのカートライト医師の死亡。
ムーア神父の目的はエミリーの手紙をみんなに知ってもらう事だったけど
エリン弁護士は裁判を通じてムーア神父が偽りのない思いでエミリーを救おうとしてたことがわかって有罪になるのがいたたまれなかった。
ホッパーの再犯から今回の敗訴で弁護士としては嫌な思いをしたかもしれないけど裁判が進むにつれて完全に否定できない思いをいだいた神と悪魔の存在。
それをみんなに伝えることができたエミリーの手紙。
教会としてはセーフなのに法律ではアウトのところが今日までうやむやできてたけど
今回で現代の法律では有罪と言うとても大きな前例となった。
でもムーア神父の善意が勝って情状酌量という形に落ち着いたことによってエリン弁護士はまたぐっすり眠れるようになるかな。

エミリーの悪魔憑きはもちろんすごかったけど
トマス検事よかったなあw

すごい憎たらしかったね
私は信者ですとか言っておいて神父を侮辱しまくってすごかったw

絶対信者じゃないよなw
『黒い影はどこです?私は悪魔に見えますか?』
とかいいやがってw

あなた頭は大丈夫ですか?
って言ってるようなもんだw

有罪になって勝ったはずなのに刑期が今日で満了ってなったとき嫌な顔してたしなw

神父を牢屋にぶち込みたくて仕方がなかったんだろうねw

そういえば拾った金のロケットのイニシャルが一致してるって話があったよね

うん

イニシャルが一致してるってだけで神の使いが身に着けるように勧める
そして法の番人が拾ったそれを身に着ける
落とし主はさぞかし泣いてる事だろう

そこは偶然の確率を超えて神を身近に感じたようだというシーンだから突っ込まなくていいとこだろw
最後に台無しにすんなw
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?