やあヘビだよ。今回は2016年のホラー映画「ディストピア パンドラの少女」の感想。
原作は2014年の小説マイク・ケアリー「パンドラの少女」。
この映画はゾンビものなんだけど原作が新しいだけあってかちょっと珍しい設定でおなじみの普通のゾンビの他に知能がある子供ゾンビがでてくるんだ。
知能があるといっても1985年「死霊のえじき」みたいな、どうやら知能があるぞ?ってレベルじゃなく普通に会話ができる。それどころか完全に人間の子供にしか見えないんだ。
研究者は世界中にゾンビが増えていく事態を収束させるためにこの知能のある子供ゾンビを使ってワクチンを開発しようとしてるんだけどみためが完全に人間で会話もできるもんだから子供ゾンビの扱いに登場人物も観てる人も倫理観の葛藤がでてくるんですねえ。
人類を救う正義と子供の人権を守る正義。
どの登場人物に感情移入して映画の世界に入り込むかによってすごく感想がかわってくるようで後でカメレオンに感想を聞いたらヘビとは違う感想がでてきたんだ。
そんな感じで観終わった後に誰かと感想を語り合うと面白いんじゃないかと思うような映画です。
どんな状況なのかまだ分からないけど出だしから面白い

刑務所のようなとこで子供たちがそれぞれ独房に入れられてる。
「朝だぞこのクズども!!」
と刑務所お馴染みのセリフで入ってくる人は看守ではなく武装した兵士。
そして凶悪犯の護送のように子供たちは車いすに拘束されて銃を向けられながら独房から連れ出される。
そんな物々しい状況のなかで子供は怖がることもなく優等生のような笑顔で兵士たちに挨拶をするけどなぜか兵士は無視したまま子供たちに銃を向けている。なんだか兵士は子供たちを怖がっているようだ。
そして子供たちは教室のようなところに連れてこられると授業が始める。
うーんなんとも出だしから興味深い世界じゃないですかワクワクするじゃないですか。
「ディストピア」ってタイトルだし未来の話だろうけどなんだこの状況は。
いったいなんの話なんだろうと思っていると事件が起こる。
女教師が物語をつくった子供の頭をなでてあげると
「今触っただろ!」
と軍曹が怒鳴りこんできて
「よくみとけ」
と自分の腕に唾を付けてこすって子供の前に差し出す。
すると、、、
ガクガクガクガク!!
子供は兵士に腕をのばして歯をガチガチし始めた!
後ろの子供たちも伝染するかのようにガチガチ
子供が拘束されてなかったら兵士は子供たちに襲われていたんだろう。
軍曹「人間の姿に騙されるな」
そう。子供たちはゾンビなんだ。

何の説明もなく始まるけどなかなか引き込まれた
もう最近のゾンビ映画はゾンビの説明なしで始まるんだな
昔のゾンビ映画はゾンビが登場するまで一時間ぐらい使ってゾンビが街に溢れるシーンはものすごい金をかけるのが定番だったけど

そういえばもう皆さんご存じのゾンビですって感じに説明はセリフでしかなかったね
しかし最初独房からの雰囲気がよかったよね映像もうまかったのかな

子供が豹変するのは観ててショックだったな
大人ならまだいいけど

そんなわけないと思いながらも子供が吐きそうになってる様に見えて軍曹の唾が臭いのかなと、、、

そんなわけないだろw

いやまあそうなんだけど。
メラニーの演技はもちろんなんだけど最初にカチカチした子供の演技がすごいなあと思った
後ろの子供の演技がわざとらしいなあと思うぐらいに
ほとんど終焉を迎えそうな状態

世界はゾンビであふれかえっている状態でゾンビはハングリーズと呼ばれている。
ゾンビの母体を食い破っていた胎児の状態で連れてこられたという子供たちの成長具合と外の荒廃具合から見てゾンビが発生してから十年以上は経ってそうな感じ。
メラニーたちは妊娠中のハングリーズから生まれた第二世代でハングリーズと人間のハイブリッドだという。
そんな状態だから脳は学習することができるし前頭葉も生きてるみたいで自分を制御することができる。
特にメラニーは子供たちの中でも特別頭がよさそうな感じがした。
人間がブロッカージェルなるものを自分に塗って人間のにおいを消して子供たちの食欲を刺激しなければ子供たちは普通の人間のようだ。
そんなだからジャスティノー先生は普通の人間の子供たちのようなのに外の世界を知らないで囚人のような生活をさせていることに心を痛めている。
メラニーたちは自分の事も外の事も何も知らないからこの生活を受け入れているけどジャスティノー先生が物語を聞かせたりすることによって施設の他の世界を知ってしまったら逆に残酷なんじゃないかな。
ジャスティノー先生は純粋に子どもたちを人間として扱いたいってだけなんだろうけど。

メラニーは先生にお話を聞かせてもらってるときに
『ここには危険がない』
って言ってたし
他の子供たちも満足して毎日を送ってるんだから余計なことを教えると逆に残酷でかわいそうだ

メラニーだけは特別でほかの子供は死んだ魚のような目をしてるように見えたな
満足というより甘んじて受け入れてるって感じじゃないかな
そして子供たちはある程度ひどい生活を送らされてるって知ってるんじゃないか?
知らないような話はなかったし

でも最初に子供たちがカチカチ始まった時メラニーがそれをみてビックリしてる様にみえなかった?
まるでそれを知らなかったかのように

うろたえてるって感じはあったけど

あとメラニーが車いすに乗せられて基地の建物の外にだされてフェンスの外にいる大勢のハングリーズをみたときに初めて外にでたネコみたいに顔がこわばってたし

初めてハングリーズを見たってよりもまさに初めて外に出たからって顔だったんじゃないかな
もしあれが初めてみかけたハングリーズだとしたら博士にしつこく質問するんじゃないか

うーん
まあそういわれれば好奇心旺盛なメラニーは質問しそうな気はするけど
きっとあれだ
それどころじゃなかったんだ初めて建物から出て初めてのものをいっぱい見て情報量が多すぎたんだ
人間の正義とハングリーズハイブリッドの正義

フェンスを突破されてハングリーズがなだれ込んできた基地を捨てて逃げ伸びてきた5人。
メラニー、ジャスティノー先生、コールドウェル博士、パークス軍曹、キーラン一等兵。
物資を求めて街を散策する5人が見たのは停止状態にある大勢のハングリーズだった。
獲物がいないと立ったまま寝たような状態になるらしい。
さらに進むと倒れたハングリーズたちから枝が伸びて実をいっぱいつけた木のようなものだった。
コールドウェル博士いわく
「ハングリーズのライフサイクルの次の段階」
だそうな。
実はカチコチのホヤのような感じでこれが開くと胞子が放たれて “世界の終わり” になるという。
そして5人は軍の移動研究室をみつける。

なんか先生がだんだんムカついてきた

なにがw

ホラー映画なのに全然脱がないし先生も人間なのにメラニーを守ろうとワクチン開発を拒むエゴがひどくて

先生にとってはもうメラニーは子供みたいなもんだしメラニーにとっても先生はお母さんみたいなもんでワクチンのためとはいえど家族の命を差し出したくないってのは当然だろ

まあ素直にみればそうなんだけどさ
ネコ食ってたしやっぱり人間じゃないし

人間を食べそうになるのをこらえてわざわざ外に出してもらって人間以外を食べるんだから大したもんだろ

人間を食べるのを我慢してネコとか鳥を食べるんだったら人間と同じものを食わせておけば普通に共存できるかもしれないよね

そういえば関係ないけど
メラニーが独房でミミズみたいなのを食べて眠くなってたシーンがあったじゃん
あの時は施設だから勉強して独房に戻してミミズで眠らせて次の日に勉強させてって研究サンプル的な生活サイクルを押し付けてるんだと思ったけど外でネコとか鳥を食べても眠くなってたね

完全に人間じゃないから血糖値が急上昇するとインシュリンが対処しきれないとかあるのかもわからんね

だいたい先生はなんで脱がないんだ
移動研究所の装甲車のエンジンをかけたときにちょっと軍曹に気があるような顔してたしあそこじゃないか脱ぐなら

はいはい
まああのシーンは映画的にそんなシーンになってもおかしくはないけど多分軍曹に気がありそうに見えたのは気のせいだろうな

あんなセーター着ててもでかいのバレてるんだからちゃんと脱がないと

ちょいちょいマッツ・ミケルセンにみえたりしたけどスッピンで可愛い先生だったな
なんとメラニーの他にも第二世代のハングリーズがいっぱいいた。
その子供たちは会話こそしないもののメラニーと同じように脳が生きているらしくリーダーがいて協力しあって狩りをしていた。
そして他の生存者も見つけられないまま活路を見いだせないでいる中、先生の話でハングリーズの実が洪水や火事が起きると開くと知っていたメラニーはとんでもない行動にでる。

先生がかわいそう
死ねたほうがまだマシだった

メラニーは純粋に平和だった施設生活に戻りたい思いなんだけど子供だから先生の人間としての幸せまでは頭が回らなかったんだろうな

だいたい博士がメラニーの知能をみくびりすぎだよね
ベラベラ情報を与えて実の開き方まで教えてw

ワクチン開発の実験台とするならそもそも言語を教える必要があったのかと言いたいけど
研究者として未知の生物への好奇心が勝ってしまったんだ

そうか
どの程度ゾンビでどの程度人間なのかとか知りたくなっちゃったのか

これから先生の孤独な絶望生活が始まるんだ
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?