やあヘビだよ。今回はシェイクスピアの戯曲「ヘンリアド」から「ヘンリー四世 第1部」「ヘンリー四世 第2部」「ヘンリー五世 」をもとに映画化された2019年Netflixオリジナル映画「キング」監督はデヴィッド・ミショッド。
突然王座を次ぐことになった争いを好まない王子ヘンリー五世が王たるがために自身の理想から遠ざかって武力を行使することに葛藤し苦悩する様を描いた物語。
でもあるんだけどこれがまた中世の雰囲気がとてもいい映画なんだ。ドラマ「アウトランダー」みたいな中世の感じの歴史ファンタジーの世界観というか絵が好きなヘビにとってはついついひいき目にみてしまう作品。
そしてスタイリッシュじゃない泥臭い戦闘シーンはとてもしっくりきて感心する。
放蕩息子の王子が王位継承するはめになる

15世紀のイングランド。権力とか侵略を嫌って城から離れて街でふらふら遊んでいるハル王子のもとにヘンリー四世の側近であるウィリアムがやってくる。病気のヘンリー四世は危篤で弟は昨日戦死したという。そして父の死を見届けたハル王子はキングとなる。
平和主義というよりも無駄な戦いを嫌うキングは父の野望だったフランス制圧にも興味がなかったけどある日フランス皇太子からの挑発と暗殺者を送り込まれた事によってキングはブチ切れてフランスへ侵攻することになる。
なるべくしてなった事態だと受け入れていたキングだったけどある一人の言葉によってこの一連のシナリオの陰で糸を引いていた人物に気づいてしまう。

製作がブラピのプランBだったね

クライマックスの戦闘もすごかったけどいちいちセットもすごかったね。ワールド・ウォーZみたいにすごいお金使ってる感じがした

うんうん風景もよかったよね。戦闘のシーンはCGじゃなくて実際にやってるっぽかったもんね。また製作費が足りなくなって最後キングがペプシをがぶ飲みするかと思った

今回は中世だからペプシ映りこんじゃダメだろw
若きキングの成長の物語じゃない。三人のキャラあってこその映画だ。

ハル王子がしぶしぶ王位継承して最初のうちは「放蕩息子めが」って感じに思われて大司教にも側近にもなめられていたキングが自ら道をしめして信頼を得てフランスを打ち破って最後は「キングヘンリー」コール。っていうと若きキングの成長の物語みたいだよね。
でもこれ違う。物語はありがちで途中裏切り者いや裏切り者とはまた違うね私欲じゃなくてイングランドのあるべきシナリオに導いたんだし。まあなんというかサスペンス的な要素を挟んでくる感じもいまとなっては鉄板的ストーリー。それを先駆けて作り上げたのがシェイクスピアが偉大だということなんだけどね。
ホラー映画でいうと1974年「悪魔のいけにえ」が (あのレザーフェイスのやつね) 芸術性を評価されてマスターテープがニューヨーク近代美術館に永久保存されたけどそれをみんなリスペクトしてホラー映画を作ってるせいか今みると別に普通に思っちゃうみたいな感じじゃないかな。
話がそれすぎたけど何が言いたいかというとこの映画はシェイクスピアの戯曲を元にアレンジした映画でキングの苦悩ののストーリーなんだけどすごくキャラがたったハル王子、ジョン、ウィリアムあってこその映画なのだ。
三人ともとてもとても素晴らしいですよね奥さん。顔もいいしキャラの性格がにじみ出るようなしぐさ。
キングヘンリー (ハル王子)
- 無駄に色男
- 国民を大切に思ってて無益な犠牲を出したくない
- 弟の身も案じている
- そのくせすぐ挑発にのってカッとなる
- 最初から度胸があってタイマンで決着をつけようとする
- 政治に興味がなく城からでていたのに父が死んだとたん王位継承する覚悟がマッハ。王としての資質はない (すぐキレるし参謀をも感情で殺す)
ジョン
- 見た目がドワーフみたいでかっこいい
- 普段はおちゃらけている感じもする
- いざとなると的確なアドバイスをする
- 年の甲がにじみでている
- ハル王子と同じで無駄な戦いを好まない (実戦経験の上)
- ハル王子が唯一信用できる人間
ウィリアム
- 腰が痛い
- とにかく腰が痛い
- 腰が痛くて歩くのもつらい
- まともに声が出せないぐらい腰が痛い
- みているほうも腰が痛くなるぐらい腰が痛い
- 頭がキレる
- どうやら私利私欲じゃなくてイングランドとしてのサクセスストーリーを練っているっぽい
- ハル王子が成長していくさまに本気で関心したウィリアムの顔を観ているいるほうもハル王子の成長がうれしくなる
- 事実上ウィリアムがキングなんじゃないか
いいですねえこの三人。キャラが立ってますねえ。なんならこの三人で藤子不二雄のドラえもん、ハットリくん、キテレツ大百科みたいに同じキャラの枠で色んな映画をぐるぐるまわせるんじゃないかってぐらい。
ミッションインポッシブル?できますこの三人で。ハル王子が主人公でジョンがルーサーでウィリアムは腰が痛いCIA長官。
マトリックス?できますこの三人で。ハル王子がネオ、ジョンがトリニティ、ウィリアムが腰が痛いエージェント・スミス。
ロッキー?できますこの三人で。ハル王子がロッキー、ジョンがエイドリアン 、ウィリアムが腰が痛いミッキー。
バットマン?できますこの三人で。ハル王子がブルース、ジョンがアルフレッド、ウィリアムがジョーカーは腰が痛そうだからゴードンにしておこうか。

ウィリアム腰痛すぎだろw しかもなんだよ毛むくじゃらのトリニティってw

すごい痛かったよね。腎臓に石を詰めて撮影に挑んだんじゃないかな最後の方の船の上のシーンになってくると両の腎臓をげんこつダブルで抑えてたもんね

石を詰めないで挑めるのが役者だろw

ウィリアムの役者のショーン・ハリスは怪演に定評があるみたいなんだ。出る映画出る映画ショーン・ハリスって気づかないほど別人

もう違う役者にしたほうがいいんじゃないかってぐらい雰囲気が違うね。「ミッションインポッシブル」に出てたんだよね全然腰痛くなさそう

そうそう実は「プロメテウス」にもでてるね

あまりにも腰が痛そうだから実際に腰が痛い役者なのかと思った

クライマックスの戦闘で演説したキングをみたときのウィリアムの表情がなんともよかった。あのハル王子が立派になったって顔にもみえるんだけど二回目にみるとやっぱりウィリアムは策士だからただ単にコマとまでは言わないけどシナリオ通りにみんなの心をつかんだみたいな表情にも見えて

2014年「セッション」のラストで主人公と先生が一瞬認め合ったけど人間同士打ち解けたわけではないニヤリみたいな感じに似てるのかな

この時はまだ知らないんだしお互いそんな敵意はないだろw

しかし戦闘シーンが泥臭くてよかった。シェイクスピアの原作っていうからスタイリッシュな演出でわざとらしい戦闘を見る心構えができてたんだけどまさかのリアル戦闘には感心した

すごかったよね重装備の兵隊が実際にのっそのっそガッチャガッチャ。すごい人数だったからけが人が出てそう。

フランス皇太子がぬかるみで滑るシーンは勝手な推測で悪乗りしてニヤついてるブラピの顔が浮かぶw

うかぶw実際どうなんだろうね製作の一番上にブラピの名前がクレジットされてたけど監督じゃないからそこまで口はださないのかな。でも勝手にブラピの顔が浮かぶw

あのシーンは是非ブラピが口を出してて欲しいw
イメージからかけ離れたキングとイメージ通りの大司教

特攻隊長なキングとアレな大司教
この映画ヘビがもつ中世の印象とかけ離れててビックリする事がいくつかあった。
まずキングが戦場に行く。それどころかキングがみんなと最前線で戦うんだよね。しかも肉弾戦だし「オンミー!!」とかいって先陣切って突っ込んでいく。いやそれまずくないですかキングを失ったら。
中世の王様といえばドラクエのイメージなのかキングは城から動かないでフカフカしてるもんじゃないですか。日本の戦国武将だって城から出たとしても戦場の後ろのほうに座ってる印象だよね。
ハルは放蕩息子だったからキングと認められるためにあえて先陣をきって示して見せた。と思いたいけどもしかしてそういう時代だったのかな。
一方でイメージ通りの大司教が思わず吹いたw
「さっさと攻め込んで皆殺しにしてこいよ」みたいなことを悪びれもなく言い放つ。えっ?大司教がさっさと殺せとか面白い。でもまあキリスト教は侵略の歴史があるしなにより大司教にちかい人がクズって設定は色々あるせいかビックリしないけど。
最近だと進撃の巨人で司祭がクズ設定とかやっぱりなじみ深いよねこういう設定は。
キングに無礼なやつら
なんかビックリするぐらいキングに普通に物申すどころか敵意むき出しだったり怒鳴ったりするやつがいたね。
いいのそれ?戦国時代の日本だったら斬首刑になるような気がして怖かった。ハルがキングになってからは放蕩息子でいきなり王座に就いたからみんなにバカにされてる感じがあったからなのかとも思ったけどお父さんがキングの時もたてついてるやつがいたよねw
妹も「どうぞ賢く道を道を選んでください」とか上から目線だしフランスの王女の無礼っぷりは笑っちゃうぐらいだった。

なんなんだあいつら死にたいのかな

キングは絶対的なもんじゃないのかもしれない。首がすげ変わればまた大司教と腰の痛い参謀でイングランドをまわしていくんだきっと

でもあのフランス女は許せんな。なんだあいつはイングランドをつぶしたいのかフランスを降伏させられて悔しくて言ってるのか。「若くいら立つ愚かな男で容易に騙される」とか言いやがって。ハルもまんまと乗せられてウィリアムを殺してるしすごい胸糞悪い

親父と違う方法でイングランドを納めたかったのに結局親父が望んだ方法でフランスを征服した屈辱と唯一の友ジョンを失って兵士もいっぱい死んだ全ての原因がおまえかっていう怒りじゃないか

表向きには差し出された娘だけど本当は内部から崩壊させに来たってならわかるけど私は賢いのよってマウントとりたかっただけだろ。しかも私の父がかかわってない理由が父は正直者ですじゃ証明にならんじゃろ?壮大なストーリーの最後がキングらしからぬ乱心で小娘にいつでも正直でいてくれとか言ってスケールの小さい話で終わった

めっちゃキレてんじゃん
関係ないけど最後に

シェイクスピアの事はあまりしらなくて世界で研究してる組織があったりすることは聞いたことがあるレベルだけどその研究者の間でそもそも「ヘンリアド」というくくり自体がこの「ヘンリー四世」の戯曲は入れないとか論争があったりするという。やっぱりそうなるんだ面白い。
ビートルマニアでも五人目のビートルズがとかいう議論とかビートルズが好きだとすごいおもしろいよね。
シャーロキアンではホームズが女性説とかあるらしいしみんなどんだけ好きで研究してんだよね。

まあそういうので一般のファンをどれだけ近寄らせないようにしているかって側面もありますな

まあそうだよね入門しようと思ってもおじけづく原因にはなる。でもまあ「ビートルズっていいの?」とか質問されるとある程度聴いてから聞いてくれと面倒だなとは思うよねw

ファンの論争はある程度知ってれば面白いもんね。気づかなかったことを聞かされたりとか

ピンク・フロイドでいうとロジャー・ウォーターズが抜けたピンク・フロイドはピンク・フロイドと認めないとか新生ピンクフロイドとして認めるとかの論争の理由とか聞くと面白いよね。全部終わったからファイナル・カットだとか。

シド・バレットのときがピンクフロイドだなんて過激派もいた

さすがにそれはねえ

さすがにどうじゃろう

ロジャー・ウォーターズがぬけるとちょっとブルース過ぎて退屈な感じになるじゃろ?

ふんふん

逆にロジャー・ウォーターズだけになると嫌味なアクがつよくなるのじゃ

ほうほう

やはり2人がお互いと融合して調和がとれてこそのピンク・フロイドなのじゃ (遠い目)

ふーん (寄り目)
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?