ホラー・パニック

恵まれた子供たちのネタバレ感想と考察 Netflix 人間に勝つために人間に成りすました悪魔は人間として暮らす事が目的となった

やあヘビだよ。
今回は2022年ドイツのホラー映画「恵まれた子供たち」の感想。

上流階級の家庭で育つフィンは幼いころ姉が目の前で奇怪な死を遂げた事によってトラウマを抱えていた。
高校生になったフィンはある日学校の精神科医から処方されている薬の中に奇妙なモノが入っていることに気づく。
そしてフィンに何か警告しようとしていたクラスメイトのラミンは奇怪な死を遂げる。
ラミンもまた同じ薬を処方されていた。
フィンは友人のレナと薬について調べていくうちに姉の死の原因も明らかになっていく。

この映画は姉の不気味な死に方とそれにトラウマを抱えた主人公に起こる心霊現象がオカルト映画な感じで話が進む。
そして映画の冷たい色味がドイツの冷たい空気を感じるようでとても良いホラーな雰囲気。 (ドイツに行ったことはない)
ところが中盤から幽霊と思ってた者は違う “体を持たない者” だと判明して話は予想外の方向へ。

幽霊モノじゃないと分かってからとらえ方によっては萎えてしまう人もいそうな作品。
でもホラー映画ファンのヘビがいつものように妄想を爆発させてとんでも考察で楽しんだことを話していこうと思う。

宇宙人だわこれ

この映画を語るにおいて、エリートの正体が前提になきゃいけないと思うのでまずは先に “体をもたない者” について考察しようと思う。

堕天使、鬼、悪魔の手先と呼ばれる者

人間離れした姿を持つ者、人間離れした力を持つ者。
そんな存在に対峙したら恐怖で崇めるか滅ぼすかのどっちかになってしまうだろう。
昔から神や悪魔と呼ばれていたものは人間とは思えない容姿で描かれていることが多い。
そもそも人間ではなかったのではないか。 (唐突)
この広い世界にそんな存在は昔から存在しても不思議はないと思う。

地球に降り注ぐ隕石は年間5千トンとも言われている。
そこにどうして生命体がないと言い切れるだろうか。 (白目)
そもそも生命という概念にとらわれない知的な存在がいてもおかしくないとは思いませんか。 (手遅れ)
そんな存在たちは人間に害のある者、害のないもの、そもそも関わらない者、色々いるんじゃないかと思う。

(地球外生命体と言うとややこしくなるので以降 “悪魔” と表現します)

いにしえから悪魔と呼ばれ人間と戦ってきた者は学んだ
人間を個々につぶしても人間が結束したときの強大な力に敗北すると。 (瞑想)
そして悪魔たちは人間のように結束することを学んだ。

それがトロンドタル社だ!

さらに悪魔たちは人間の社会を学び様々な組織に人間として紛れ込んだ
ラミンが殺された夜、ダイナーで話をしたガーバー警部のように。
そういった悪魔たちが一大グループ企業を築くときのコネクションとなった。

ところが人間の体の寿命は悪魔より短いので器が死ぬと次の器が必要だ。
ところかまわず体を奪っていてはまた結束した人間に敗北してしまう。
そこでトロンドタル社は養子をとって育てるという器を製造する方法を思いついた。
さらには悪魔が人間に憑依しやすくする下準備ができる薬を開発した。
画期的な向精神薬剤として収益を上げることもできて自分たちが憑依する “器” も確保する。

悪魔たちはトロンドタル社で過去最大の力を得た。

バーグマン家の悲劇の始まり

バーグマン家の悲劇の始まりはフィンのおじいさんが若かった頃にあった。

  • フィンのおじいさんがフィンに語った、おじいさんが牧師だったころに出会った病気の子供を悪魔祓いした時の話。
    ヤツと正面から対峙してその姿を見た。そして全てが変わったんだ。」
  • レアンダーのお父さんがフィンに語ったフィンのおじいさんの話。
    「君のお父さんも養子だった。病気だったお父さんをおじいさんが救った」
    「彼は出会ったトロンドタル社に。そして一大グループ企業を築いた。あらゆるコネを使って」

まずフィンのおじいさんが牧師だったころ、病気の少年に憑いていた “体をもたない者” に憑依された
そして操られたおじいさんは “体をもたない者” の仲間と合流し始める
そう、トロンドタル社の人たちと。

悪魔が人間に憑依する目的

3Pは突然に、、、
レナかわいいなあ。
でも恋が実ることはないんだよなレナはレズビアンなんだから。
と思ったけどあんなことになるんだったら、、、
ヘビはフィンになりたいです。 (ゲス顔)

取り乱しました。

トリコツェパンを服用することによって18歳ごろになると “器” として完成する。
ラミンはそれに気づいてフィンに警告しようとしていた。
レアンダーも気づいてナイフで口の中の菌糸を取り出そうとした。
アナもそれだったんだね。
だから口が血だらけだったんだ。
そしてレアンダーと同じようにアナも自分と幼いフィンを助けようとしたんだ。
自殺という選択で。

画期的なトリコツェパン

おじいさんが手術の前にフィンに話した言葉が気になった。
私の体は悪魔にむしばまれている。ヤツの食事を台無しにしてやるんだ
この言葉から悪魔への敵意を感じる。
おじいさんは完全に体を乗っ取られているわけじゃないようにみえるんだ。
しかも毎回フィンに対するおじいさんの言葉には愛情を感じる
フィンにそそぐ愛は偽りには見えない。
血はつながっていないけど孫に対するおじいさんのままの本物の愛なんじゃないかと思う。
憑依した “体をもたない者” ではなく。

そう考えると “憑依” というのは完全に元の人間の人格が消滅するわけじゃなさそうだ。
でも “トリコツェパン” の開発によってこれからは憑依が完全なものになるだろう。
憑依された人間にとっては意識が残ってないほうが幸せかもしれない。

霊媒師エリスカ

菌床にされてしまった霊媒師のエリスカはこの映画においてとても興味深い位置づけだった。
“体をもたない者” についての理解がずれているようで間違ってもいない感じ。

勝手に霊媒師と呼んだけどそうじゃなくて “感覚が優れた人” または “超能力者”と言ったほうが正しい気がする。
そもそも霊媒師というのはそういう存在なのかもしれない。

フィンのお姉さんが亡くなってると当てたのは霊媒師的な感じだったけど、玄関の隠し扉の前で違和感を訴えたのは少し違う能力な感じがした。

何が言いたいかというと、ヘビはホラー映画のファンだけど現実世界での幽霊には否定的な考えなんだ。
人は死んだら、脳が死んだら終わり。
なので死んだあとは無だと思ってるんだ。
前提にこれがあるから自然と霊媒師に対しても否定的になる。
でもエリスカのように “体をもたない者” を “霊” としてとらえてるだけで、感覚が鋭いことに間違いはないとすると話が違ってくる。

人は昔から人知を超える存在を悪魔や神と表現してきた。
霊体のような存在がいても人間が死んだ後の者とは限らないとするならば、霊媒師はその存在を “霊” と表現してるだけのことだとも考えられる。
霊媒師は幽霊を見ているのではなく “人間じゃない存在を見ている” 可能性がある。
そうだとすれば霊媒師を否定する理由はなくなるんじゃないだろうか。(妄想を前提に妄想を重ねていくスタイル)

目的が逆転した悪魔

悪魔たちは人間に勝つために結束した。
悪魔たちは人間に勝つために人間になりすました。
悪魔たちは人間に勝つために人間社会にもぐりこんだ
悪魔たちは人間にかつために人間のような組織を作った。

おや?
この悪魔、人間の生活をしてるぞ?

朝起きて会社に行って、休みの日は健康のために体を鍛える
子育てごっこまでしてる。
器目的ならもっと冷酷な育成方法がありそうなもんだけどわざわざ大切に育ててる。
何かあれば人間の親のように子供の心配をして。

悪魔は人間の生活が目的になってるじゃないですか。
悪魔は人間になりたかったのではないか。


あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?


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