やあヘビだよ。今回は19世紀前半アメリカで実在した罠猟師ヒュー・グラスの実話を元にした映画。2016年「レヴェナント: 蘇えりし者」の紹介。
原作も実話も知らないヘビがこの映画だけで勝手な感想を書くよ。
これタイトルの送り仮名が変だよね?「蘇える金狼」をリスペクトしてんのかな?なんだろね。ホラー映画ファンのヘビとしては「蘇る」って聞くとワクワクするけどホラー映画ではありません。
この映画はなんと言ってもどのシーンもいちいち美しい映像。
撮影監督がエマニュエル・ルベツキって人なんだけど2013年「ゼロ・グラビティ」の他に3回もアカデミー撮影賞を受賞してるすごい人。その撮影監督のこだわりでなんと日の出後と日没前の少しの時間いわゆるマジックアワーだけの時間帯に撮影したそうな。そのせいで撮影期間が9ヶ月もかかって次の仕事があるスタッフが降りたり喧嘩したり大変だったみたい。

どのシーンも映像が美しいもんだから映像だけをぼーっと見ても楽しめるんじゃないかってぐらいすごいんだ。まあでもこんなこと言うと極寒の地で過酷な撮影に挑んだディカプリオが浮かばれないか。
簡単に三つだけおさえておこう

この映画を観るにあたって簡単に三つぐらいおさえておくともっと楽しめると思う。まあそんなに難しい話ではないんだけど。
時代背景 |
1823年のアメリカ開拓時代 |
舞台背景 |
先住民の襲撃を受けて船を捨ててロッキー山脈を陸路で拠点に戻る羽目になった毛皮ハンターの団体。先住民と暮らしてたこの土地をよく知るグラスがガイドとして雇われている。 |
対立関係 |
先住民を殺して先住民の獲物を奪いまくった白人は先住民に恨まれている。 |
こんな感じなんだけどもうちょっとだけ詳しいお話を。
時代背景: 1823年アメリカ合衆国

1823年のアメリカ合衆国はというと1776年の建国から47年でまだ開拓時代。アメリカの西側が未開拓で先住民の土地にずかずか入り込んで殺戮しながら勝手に動物を狩って毛皮をとっている。そんな時代。
ウィキペディアをみてみると19世紀前半は中南米各地で独立運動が起こってたんだね。スペインの植民地が動き出したころだ。
そして1823年というとちょうどモンロー主義というアメリカ合衆国がヨーロッパ諸国に対して、アメリカ大陸とヨーロッパ大陸間の相互不干渉を提唱してる。
モンロー主義のきっかけとなった年次教書は、1823年12月2日に議会へ送られた。内容の大意は次のとおり。
・ヨーロッパ諸国の紛争に干渉しない。
モンロー主義
・南北アメリカに現存する植民地や属領を承認し、干渉しない。
・南北アメリカの植民地化を、これ以上望まない。
・現在、独立に向けた動きがある旧スペイン領に対して干渉することは、アメリカの平和に対する脅威とみなす。
最終更新 2019年7月10日 (水) 15:57
『ウィキペディア (WIKIPEDIA): フリー百科事典』

うーんこれは。ヨーロッパのみんなちょっとアメリカ大陸から出ていきなよ植民地いくないといいつつ先住民をなぎ倒して開拓ってどうなの?

植民地よりひどかったりするんじゃないかな。一応人道的っぽいことを言いつつ物資を奪い取るってすでにグレートアメリカだねえw
舞台背景: 毛皮ハンター御一行

隊長のアンドリュー・ヘンリー率いる毛皮ハンターの御一行は先住民の襲撃を受けて船を捨て陸路でカイオワ砦という拠点に戻る途中だった。先住民と暮らしていた過去がありこの土地に詳しいヒュー・グラスとその息子ホークをガイドとして雇っている。

詳しい説明はなかったけどホークは本当の息子なのかな。先住民と暮らしてた時に白人の襲撃から生き残ったホークを連れてるだけなのかな。

フィッツジェラルドとの一件があって明け方にシクシク泣いてるホークに「お前は俺の息子だ」ってセリフが逆に血がつながってないけど俺の息子だからなって言って慰めてる感じもするんだよね。でもフィッツジェラルドが「混血の息子」とか「母親は野蛮な原住民」って罵ってたし血のつながった息子なんだろね。日本人からみると混血なのか純粋な先住民なのかがよくわからないよね。
対立関係: 白人と先住民

先住民の部族は出てくる単語だけでいうと
- スー族
- アリカラ族
- ポーニー族
の三つの部族がでてくるんだけど、先住民どうしも対立があるって頭に入れておくだけでストーリー上は部族まで気にしなくても大丈夫そうだね。
実際には白人だとアメリカ人、フランス人とかでてくるし、先住民で言うとホークはポーニー族の子供。ポワカを救出しに行くのはアリカラ族。スー族は「スー族に家族を殺された」ってセリフがでてくるだけで実際に登場しない?

白人と先住民が対立しててお互い出会ったらまずいってぐらいで観てて大丈夫そうだよね。

そうだね。特に白人同士とか先住民同士の込み入った対立の話はないしね。
思いっきり蛇足だけどスー族はアリカラ族ともポーニー族とも敵対してて後々アリカラ族とポーニー族はアメリカ陸軍に加わってスー族と戦うことになるらしい。
蘇える男ヒュー・グラスのお話
さてやっと映画の内容について。

19世紀のアメリカの猟師のヒュー・グラスのロッキー山脈での過酷なサバイバルの実話があって、この話っていうのはアメリカでは歌になってたりするほど語り継がれてる有名な話らしい。その話をもとに作った映画なんだって。
グラスの残酷なサバイバル
先住民の襲撃にあって多数の犠牲をだしながらなんとか船を使って撤退した毛皮ハンター御一行。先住民の土地で川を使うのは危険だというグラスの判断を嫌がる者もいたけど隊長はグラスを信じて御一行は極寒の雪山という陸路でカイオワ砦へ戻ることになった。
グラスが朝の偵察をしていると小熊が。
小熊はまずいよ、、、

グラス !! 後ろ !! 後ろ !!
ほらいたお母さん。この後めちゃめちゃひどい目に合います。
ほぼ相打ちでクマを仕留めた所で仲間に発見されるグラス。担架に乗せて雪山を運ばれることになった。
45人いた御一行は10人になっていた。全員が遭難しかねない雪山でグラスを運ぶのは困難だった。足は折れのどや背中を裂かれてどうみても助からないと判断した隊長は最期まで見届けて埋葬してやるためホークとブリジャーを残してグラスを置いていくという苦渋の選択をするしかなかった。
隊長「毛皮会社から残ってくれる2人に70ドルずつだそう。最期を見届けてくれ。」
ブリジャーとホーク「俺が残る金は関係ない。」
フィッツジェラルド「若造2人には無理だ敵と戦えない。しかも70ドルじゃ誰も残らねえ。」
隊長「100ドルだそう。グラスは恩人だ。」
フィッツジェラルド「・・・ (もう一声)」
他のみんな「俺の金もやろう。」「俺のもだ。」
フィッツジェラルド「仕方がねえ。しぶしぶ俺が残ってやる。」
おいおいコントかw フィッツジェラルドは残しちゃまずいだろw

ほら言わんこっちゃない。
色々あって動けない声も出ないグラスの目の前でホークを刺し殺すフィッツジェラルド。ブリジャーは水汲みに行ってて目撃者がいない。
フィッツジェラルドはブリジャーに「アリカラ族が来てるぞ !! ホークはいねえしグラスを埋めてさっさと逃げないと俺たちも死ぬぞ !!」と大嘘をついて嫌がるブリジャーをよそに生きてるグラスに土をかぶせて御一行に追いつくために出発。
なんてやつだw
しかし

しばらくして蘇えるグラス !! 死んでもおかしくない重症で動けなかったグラスが土から出てくる !! ほとんどゾンビです。



息子の仇を追うためなんとか魂にしがみつくグラス。あいつを殺すまで死ぬわけにはいかない。

ディカプリオってベジタリアンで有名なんだってねw

生魚思いっきり咀嚼してるね。生レバーも本物だって話があるよねw
馬と骨の山と三途の川と魂
馬に執着する先住民のお父さん

白人にさらわれた娘のポワカを探すアリカラ族のお父さんと仲間たちがフランス人達との交渉で馬がないと移動できないからだろうけどしつこく馬をくれって言ってるシーンが気になってちょっとしらべてみた。するとウィキペディアにこんなことが書いてあった。
18世紀にスペインから馬が大平原にもたらされると、スー族はいち早くこれを採り入れ、ホース・インディアンとなった。家財道具を載せたトラボイを引く役割は犬から馬に代わり、馬はバッファロー狩りの規模を広げ、部族の力を強大なものにした。スー族は馬を「シュンカ・ワカン(神秘なる犬)」と呼んだ。馬は犬の何頭分もの力を持っていたのである。
スー族
最終更新 2019年5月31日 (金) 02:14
『ウィキペディア (WIKIPEDIA): フリー百科事典』
同じ大陸にいたほかの民族も影響されないことはないだろうから馬は必要不可欠な道具なってるわけだよね。

ロッキー山脈で馬がなければいくら先住民でも遭難するだろうけどなんだか意味深なシーンだったよね。

交渉のシーンが結構ながかったしね。しかしインディアンといえば馬に乗ってる印象だったから馬が海外から伝わったものだったとは驚きだ。

インディアンといえば馬だもんね。 最初から馬に乗ってると思ってたよね


ポワカがグラスに助けてもらったときにタマを切り落とされたフランス野郎ってポワカのお父さんが馬もらうのに交渉してた奴じゃなかった?

あれ似てるなとは思ったけどやっぱりそうだったのかな。交渉の時に娘を探すって聞いて、「ふーん馬やるからがんばれよ」みたいになってたけどあの時すでにポワカが居たのかあの後でどっかからまわってきたのか。グラスの恩人の先住民を殺して吊るしてたしとんでもない奴らだ。
三途の川を渡りそうなグラス

途中家族を殺されたというポーニー族の男が (ホークと同じ部族だね) 肉を分けてくれる。そのまま馬に乗せてもらうけど傷が腐っていたグラスはついに気を失ってしまう。ポーニー族の男は小屋を作って焼け石を雪と薬草を使ってミストサウナのようなもので治療をしてくれた。しかしグラスは生死をさまよっていた。

ポーニー族の男は自分と同じ境遇で同情したから馬に乗せたのかな。

それもあるかもしれないけどもしかしたらポーニー族としばらく生活してたグラスから自分と同じ部族の痕跡を見つけたのかもしれないね

グラスは夢をみていた。壊れた教会で黒いヤギがホークに変わっていて抱き合って再会を喜んだと思ったけどホークがホークじゃなくてただの木だった。

このシーンはなんとも宗教的だった。たぶんわかる人種なら三途の川ぐらい何にも説明が要らないようなもんなんじゃないかな。

うんうん。日本的に言うと三途の川の向こうに死んだホークがいたけどホークはまだこっちに来るなと言って目が覚めると自分は生きていた。みたいなやつっぽいよねきっと。
動物の骨の山

ちょいちょいグラスがみる幻覚か夢のようなものの中でも特に印象的だった動物の骨の山。
なんとウィキペディアにこんな写真があったよ。

– アメリカバイソン
最終更新 2019年7月23日 (火) 05:41
『ウィキペディア (WIKIPEDIA): フリー百科事典』
すごいねこれ実際にあったんだねこんな山が。
もともと先住民が食用とか衣類とか矢じりとか生活に欠かせないものだったんだけど、17世紀にずかずか入り込んできた白人が毛皮用に乱獲したどころか農業とかの邪魔になるから駆除したんだってさ。

なんとか絶滅は免れたみたいだねアメリカバイソン。

ウィキで写真見たら思ったよりでかいんだねアメリカバイソンってやつは
創造主の手に魂を委ねる



命あるすべてのものがみな兄弟であると考える先住民の土地を尊重しているのか (まさかフィッツジェラルドも?) グラスも最後は仇の命を神の手に委ねた。

ポワカのお父さんの判断がよくわかんなかったけどグラスが娘の恩人だとわかってたのかな。

ポワカはお礼を言うどころか冷ややかな目のようにもみえたね。しかし二度目みるまで気づかなかったけど最初の戦闘シーンでフィッツジェラルドがポワカのお父さんの肩を撃って馬から落として顔面を蹴り上げてんだね。

そういうことかだからなのか。覚えてたのかな。
最後にどうでもいいんだけど


瀕死のグラスを寝かせて暖を取ってるシーンでさ。グラスの足元に包帯ぐるぐる巻きにされた人が突っ伏してる様に見えない?w

やめろw もう人にしかみえないだろw こっちに頭向けてうつ伏せになって包帯に血が染み出してるw サイレントヒルとかに出てきそうなやつ。実際は袋かなんかだろうね。

もう人にしか見えないw
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?