やあヘビだよ。
今回は2020年オーストリアのジュブナイル・ホラー映画「ストレンジ・ハウス: 呪われた家の秘密」の感想。
父を亡くしてドイツの都会からオーストリアの田舎町に引っ越して来たヘンドリックは母のサビネと小さな弟エディの三人暮らし。
ボロボロの古い家での新生活が始まるとすぐに心霊現象が起きる。
新しくできた友達の話ではこの古い家は地元では有名ないわくつき物件らしい。
そして新たな仲間たちと調査していくと幽霊の目的がわかってくる。
どうやら昔この家で殺されたとされている子供の霊が事件の真相を訴えかけているようだ。
この映画は子供に戻りたくなるほどワクワクするジュブナイルホラー。
新しい生活と新しい恋と新しい友達。
そして子供たちだけで事件の真相を探る。
子供のころの恋とか仲間たちとの探偵ごっことか思い出すなあ。 (遠い目)
登場する子供たちのキャラがいい意味ですごくベタで藤子不二雄の漫画のような雰囲気も感じる。
そんなジュブナイルホラーのゆかいな仲間たちそして意地悪なクリスから気になったドイツとオーストリアの関係について考えてみようと思う。
ドイツとオーストリアの関係

ドイツの都会暮らしから母の仕事の都合で引っ越して来たヘンドリックはさっそく漫画のような意地悪キャラのクリスに絡まれる。
ヘンドリックを殴ったクリスだけど終盤父親に連れられてヘンドリックの捜索を手伝った (たぶん) 事からこれまた漫画のように後に友達になったことだろう。 (妄想)
一見いじわるキャラ枠のクリスだけど、「クラウト野郎」という言葉が気になってちょっと調べてみた。
クラウト野郎についてフリッツが説明しかけて黙らされてたけどクラウトはザワークラウトというドイツの郷土料理の事のようだ。
ドイツにおけるキャベツの漬物。また、それを使った料理も指す。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ザワークラウト
最終更新 2022年11月25日 (金) 23:06
なので
寿司野郎、キムチ野郎、ピザ野郎みたいな代表料理をだしてその国民をバカにする言葉だねえ。(例えで並べただけですごめんなさい)
“ドイツ野郎”という言葉からクリスがただ転校生に意地悪ってだけの問題じゃない気がしたのでドイツとオーストリアの関係についてさらに調べた事をざっくりと紹介してみる。
ヘビはオーストリアについて「音楽の都」ウィーンぐらいしか知識がなくドイツの隣に位置しているという事すらよくわかっていなかった。
調べていくとドイツとオーストリアには複雑な歴史背景があるようだ。
オーストリアは公用語がドイツ語から分かる通りドイツの一部だった事もあった。
ところが
1866年ドイツ帝国の中核であったプロセインから宣戦布告され敗北するとドイツから排除され孤立する。
1938年からナチス・ドイツと併合。
1945年の第二次世界大戦後ドイツから切り離される。
ドイツ降伏により10年間イギリス・アメリカ・フランス・ソ連の4か国により分割統治される。
1955年ドイツとの合邦を永久に禁じられることを条件に独立を回復。
1955年にオーストリアは冷戦の東西緩衝帯として永世中立国宣言を行い、またドイツとの合邦を永久に禁じられることを条件に、独立を回復した。この時から現在に至るオーストリア共和国となっている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オーストリアの歴史
最終更新 2022年10月7日 (金) 22:02
歩み寄っては排除され、第二次世界大戦でドイツが降伏すると永久に合邦を禁じられて独立。
第二次世界大戦でナチスドイツが降伏すると同盟国だったオーストリアはドイツと距離をとる事になる。
クリスの態度はただ意地悪キャラってだけでなくそういった長い歴史の中でオーストリア人がドイツ人に対する複雑な感情を表しているんじゃないかと感じた。(想像)
※注意※
<ドイツとオーストリアの歴史は思い切り一部をつまんだものでこんなに簡単なものではありません。オーストリア人のドイツ人に対する感情の想像は個人のものなので、これだけで判断しないで興味がある人はドイツとオーストリアの歴史や関係を調べてみてください>
子供に戻って仲間たちと事件を解決したい!

この家には昔ポルツマン一家が住んでいた。
当時シーロスが家政婦を辞めた後ゲロルドの母が家政婦になった。
ゲロルドの母はポルツマン家のお父さんと不倫関係に。
そしてゲロルドを妊娠したゲロルドの母はポルツマンから手紙をもらう。
「家族は捨てられないが僕らの子供に不自由はさせないよ。もう君とは会えない愛を…」
捨てられて逆上したゲロルドの母はポルツマン夫人を毒キノコを入れたスープで殺害しようとする。
家政婦だったゲロルドの母が毒を盛るのは容易な事だった。
ところが予想外の事が起こる。
今日は家にいないはずだったポルツマンの2人の息子ラルフとローランドもスープを飲んで死んでしまった。
田舎の警察はポルツマン家3人の死亡を母親による無理心中と断定してしまった。
意に反してポルツマンの子供も手にかけてしまったゲロルドの母はずっと悔やみ続けていまだに2人の墓参りを続けている。
ポルツマンのお父さんは自分が蒔いた種で奥さんも子供も亡くしてしまい遠くの町へ消えるしかなかったんだろう。
自身も不倫相手も不幸にしかならなかった。
ゆかいな仲間たち
ヘビはジュブナイル映画を受け入れられる時と受け入れられない時があるんだけど今回の「ストレンジ・ハウス: 呪われた家」は本当に楽しくワクワクしながら入り込む事ができた。
ボロボロだけど新居での生活。
新しい友達新しい恋。
子供だけで事件を調査して解決。
この3つの要素だけで楽しい事間違いなし。
さらに登場人物が漫画のようにわかりやすいキャラで最高だった。
とくにフリッツは良かった。
容姿も面白いし全力で子供って感じが面白い。
フリッツで笑いが生まれるからホラー映画に邪魔な要素になりそうだけどジュブナイルホラーだから良かったのかもしれない。
そして忘れちゃいけないのがゲロルド。
オーストリアのスティーヴ・ブシェミって感じが怪しくてよかった。
最初から一癖ある役だったけどあまりにうますぎてベタなコメディキャラに感じるほど。
映画としては難しいこともなく特に考察もこれと言って無いようなもんだった。
でも見るだけで楽しい不思議な映画だった。
子供に戻って事件を解決したいです。
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?
- ヘンドリック・ライチェ (レオン・オーランディアニ): 兄 ドイツの都会から田舎に引っ越して来た事を不満に思っている 少し前に父を事故で亡くしている ラルフの霊が乗り移る イダに好意を寄せている
- エディ・ライチェ (ベンノ・ロスコフ): 幼い弟 ローランドの霊が乗り移る まだ汚れがなく心が澄んでいるとても良い子
- サビネ・ライチェ (ユリア・コーシッツ): 母 夫を亡くし経済的に厳しくなったため都会から田舎に引っ越して来た その事で子供に負い目を感じている
- イダ (マリー・ヴァイヒスラー): スロベニア語が話せる女の子 ヘンドリックに好意を寄せている
- フリードリッヒ “フリッツ” (ラーズ・ビッターリッヒ): メガネの男の子 オカルトやゴシップに興味津々 シャイな子供のようにみえて女の子のエスコートに慣れていたりする ポテトチップスが大好き
- シーロス: 近所に昔から住んでいるおばさん ライチェ家の前の住人ポルツマン家の家政婦をしていた
- ゲロルド・ロケル (ミヒャエル・ピンク): ライチェ家に家を紹介した不動産屋 サビネに好意をもっている 実はポルツマン氏の隠し子
- ゲロルドの母: シーロスが辞めた後にポルツマン家の家政婦をしていた ポルツマン氏と不倫していた
- クリス: ヘンドリックを殴った意地悪なヤツ 悪ガキのリーダー
- アマリア・ポルツマン: 故人 ライチェ家の前の住人だったポルツマン夫人 ラフルとローランドの母 警察の発表では子供2人を殺害してから自殺した事になっている
- ラルフ・ポルツマン: 故人 兄 享年16歳 ライチェ家の前の住人ポルツマン家の子供 警察の発表では母に殺された事になっている
- ローランド・ポルツマン: 故人 弟 享年10歳 ライチェ家の前の住人ポルツマン家の子供 警察の発表では母に殺された事になっている