やあヘビだよ。今回1980年のホラー映画「シャイニング」の感想。監督はスタンリー・キューブリック。原作は1977年スティーヴン・キングの小説「シャイニング」。
ちょっと未来が分かるような特殊な能力 “シャイニング” をもった男の子ダニーはお父さんとお母さんの三人暮らし。
お父さんはロッキー山脈にある巨大なホテルでシーズンオフの厳しい冬の間に住込みの管理人としての職を得た。小説家志望のお父さんにとってシーズンオフのホテルでの管理人の仕事は最高の環境だった。
でも巨大なホテルでたった三人の生活が一か月ほどっ経った頃長い歴史の中で色んな悪いものををため込んだホテルは徐々にお父さんに影響を与えていた事がわかってくる。
当時キングがこの映画を批判して自分で監督をやって映像化したりとまあいつまでもキングがブチ切れてたので話題になったよね。
ヘビはこの映画はすっと受け入れた方で一年に一回は観るぐらい好きなんだ。一般的な評価が分かれてて意味が分からないとか説明が足りないとか言われてたりしたのも知ってるけどヘビはなんで意味が分からないのかがわからない方で普通に毎回楽しんでたんだ。
でもカメレオンにみせたら否定的な考察だったんだ。しかもその理由を聞いてヘビは脊髄に稲妻が走るほどの衝撃をうけた。
ヘビの考察とカメレオンの考察の違い

ヘビはこの映画を何回も観ていてカメレオンは初めてだったんだけどざっと2人の考察を言うとかなり対照的な考察だったんだ。
その考察の理由とかは後にしてまずは簡単にどんな違いか書いてみようと思う。
オーバールック・ホテル
- ヘビの考察: 長い歴史の中で色んな悪いこともあって時に人に悪い影響を及ぼす事もある
- カメレオンの考察 : 怪奇現象が起こったりするけど特に直接人に危害を加える事はない
ダニー
- ヘビの考察 : 特殊な能力 “シャイニング” を持っていて過去や未来、人の考えがわかったりする
- カメレオンの考察 : ちょっと先が見えるだけで回避できるわけではない
ジャック
- ヘビの考察 : あまり売れない小説家
気性の激しいところもあって気難しい感じだけど自分を制御している感じがある - カメレオンの考察 : 小説家
無神経なウェンディや小説家で生計が成り立たない事にストレスを抱えている
ウェンディ
- ヘビの考察 : 天然ボケで何度かジャックに殴られていて怯えている
ダニーが一度ジャックにけがをさせられた事でかなり神経質になっている - カメレオンの考察 : クリエイターという職業に理解のない妻
何度ぶん殴られても神経を逆なでる奇人
ハロラン
- ヘビの考察 : ダニーの理解者で “シャイニング” を持っている
ホテルの色々なできごとのの中でも237号室の事を特に気にしている - カメレオンの考察 : 一家の喧嘩に口を挟んだら殺された
ダニーと同様に特殊能力を発揮することはなかった

ハロランが口を開かないでおばあちゃんと会話できたとか壮大にフカシこいてたけど結局なんの役にも立たなかった
ダニーもそうだけど特殊能力が全く役に立ってなくて無理に原作に合わせた感がある

特殊能力の設定があるから盛り上がるんじゃないか

結局ハロランは脱出する雪上車をもってきただけだったし

能力が役に立ってるとこはあったよ
ジャックが狂ってるところをダニーは離れたとこから聞いてたりとか
あとジャックが斧持って来た時にダニーというかトニーが眠ってたウェンディを起こしたりとかちょっとは役にたってた
起こさなかったらウェンディの顔面に斧が、、、

それはそれでみてみたかったなw

レッドラム!レッドラム!

レッドラム!レッドラム!
ホテルがジャック一家を手にかけようと決めたのはいつなのか
- ヘビの考察 : 面接で最初にジャックがホテルにきたときから
- カメレオンの考察 : あれほどハロランに近づくなと言われていた237号室のドアをガチャガチャしたとき「1970年の冬の悲劇」に悪意を表したと判断された
ジャックがホテルに影響を受けたのはいつからか
- ヘビの考察 : ホテルでの生活の一ヶ月後の火曜日にウェンディに怒鳴りつけてからホテルの悪いものと波長が合いだした
- カメレオンの考察 : このホテルの管理人の募集を見たその時からひと冬一家ホテルで暮らしながら新作を書き上げるという考えに取り憑かれてる
ホテルの悪霊の目的はなんだったのかそしてジャックはどうしたかったのか
- ヘビの考察 : ホテルの悪霊はジャックに取り憑いて家族を崩壊させようとした
ジャックは結局悪霊に勝てなかった - カメレオンの考察 : ジャックは支配人からの信用を得れば来年もこの仕事にありつけるかもしれないから管理人の仕事をしながら小説を完成させたかった
ジャックはホテルの悪霊の事を無視してたけどウェンディが邪魔をした

なるほどカメレオンはオカルト的な要素をあまり感じなかったのか

最初から双子の亡霊だって全く悪意がないどころかダニーに『あそぼう』って言えないだけで一緒に遊びたいように見えた
だからダニーはなんでそんなに怖がってんのかなと思うんだ
他の亡霊だって直接攻撃してくるわけではないからそんなに害があるように感じない
悪霊というならウェンディがそれだろw
なるほどスタートからここまで違うとらえ方をするとその後のとらえ方は当然変わってくるよね。
この後ヘビとカメレオンの考察の理由なんかをちょっと掘り下げて話してみようとおもう。
ヘビの考察 シャイニングの舞台とベースにあるオカルト要素

シャイニングの話のベース
ヘビはこの映画は映像が楽しいこともあって特に深く考える事なく毎回みていた。
簡単にヘビの考察を書いてみる。
長い歴史のあるホテルに管理人として住み込んだちょっと霊感のある子供ダニーとお父さんのジャック、お母さんのウェンディの3人家族。
ロッキー山脈にあるホテルはシーズンオフで今年は歴史的な降雪により道路は遮断され電話線も切れて陸の孤島になる。
そんな3人しかいない巨大なホテルで小説家志望のジャックは執筆作業に苦悩するうちにホテルの邪悪なものに影響を受けて徐々におかしくなってくる。
ついに完全にジャックをおかしくしたホテルは力が増してそれまで何も見えなかったウェンディーにも怪奇現象が見えるようになっていた。
そして暴力的になったジャックから逃れるためにウェンディはダニーを連れて奮闘する。
オーバールック・ホテルのという舞台の情報がオカルトよりの考察へと誘導する
まず最初にオーバールック・ホテルの人たちの話からオカルトよりの心構えで観始めるように誘導される。
舞台となるコロラド州のロッキー山脈に立つ巨大なオーバールック・ホテルは1907年にインディアンの墓地をぶっ壊して工事が始まりその2年後に完成したらしい。
「工事中にインディアンに何度も襲われたらしい」って支配人の話があった。あたりまえだろひとの墓をこわしたら襲われるだろw
この設定だけでオカルト的な事が起こる予感だけどさらに料理長のハロランの話の中で長い歴史の中で色々とよくない事件もあった事が伺える。
ダニーは “トニー” によってオーバールック・ホテルには邪悪で危険な事があると知っていたのでハロランに237号室の事を聞く。
するとえらく驚いたハロランはそんな部屋に用はない絶対に近づくんじゃないとすごい動揺っぷり。
そんな設定でまずはこの舞台となるホテルに邪悪な要素があって特にまずい場所というか事件があったんだなという前提でストーリーを観ていくことになる。
ヘビの考察 ジャックはいつから狂ったのかそれとも狂っていないのか

ジャックはいつからホテルに取り憑かれてしまったのか。
それは初日から少しずつ影響されていたんだろうけど火曜日にダニーが237号室を見つけてしまった日にジャックがウェンディに怒鳴りつけた後にジャックが暖炉を背にして1人突っ立っていたとき症状が出始めた。
ウェンディが執筆作業を邪魔しにきて注意するシーンがあったけどあれは今までもちょいちょい執筆中に話しかけてくることがあったけど初めてきつく注意した感じだったしまだ怒りを抑えてできるだけ柔らかく言おうという努力もみられたからまだ取り憑かれてるわけじゃなさそうにみえた。
ホラー映画を見るときってその映画だけじゃなく他のホラーとか怪談とかの知識を通してみるようなことってあるよね。
例えばゾンビ映画を見るときは一般的なゾンビの設定として噛まれると感染してゾンビになるとか頭をつぶせば動かなくなるとか。吸血鬼だったら血を吸われると吸血鬼になるとか光に弱いとか。
そんな感じにオカルト映画だと霊感が強い人に怪奇現象が見えるってのがあるよね。あと何か苦悩を抱えた人とか。
この場合はジャックは小説家志望で安定した収入がない状態。なので甲斐性なしでそれを普段から後ろめたく思ってる感じがある。そして小説家という職業をあまり理解していないウェンディがちょいちょい話しかけて邪魔をしたりするストレス。そしてダニーがちょっと普通の子と違うかもしれないというストレスも抱えてるかもしれない。
そんな要素があるとオカルトな言い方をすれば「取り憑かれやすい体質」とか「悪霊と波長が合いやすい」なんて設定がよくあるよね。
自然とそんな観かたをするせいか序盤のホテルでウェンディだけに怪奇現象が起らなくてもとくに不思議な感じはしないんだ。ウェンディは能天気で霊感がなさそうだし。
そしてさらによくあるオカルト作品だと登場人物の結束を断ち切ったり悪霊に有利になったりするたびに悪霊がパワーアップするなんて設定が一般的だよね。
「仲間割れすると相手の思うつぼだぞ」
とかよくある。
そんな感じで悪霊はジャックをうまく操れるようになっていくたびにパワーアップして霊感のないウェンディにも色々と起こるぐらいのパワーになった。
それが「1970年の冬の悲劇」以外のホテルで起こったもの「頭が割れたおっさん」とか「部屋で戯れる謎の2人」とかが見えてしまうって事に。

そもそもジャックは狂ってないというかもともと狂ってた

どういう事?

ホテルが直接何かしてくるわけではないしジャックを追い込んだのはウェンディであって遅かれ早かれホテルに来なくても事件は起きてたはずだ

まあそういう要素もあるよね
でもホテルがというかホテルの悪霊が思い切りジャックをそそのかしてたと思うけど

直接ってのは直接殺しにかかってくるとかが無いって事だよ
そんなんだからホテルは何がしたいのかいまいち伝わってこない

なるほどホテルが直接物を動かしてきてケガをするとかはないって事?

そうそう
だからホテルの強い意志とか目的は感じられないんだ
ヘビは驚きました。「この映画はよくわからん派」の理由を初めて聞いた感じがした。
たしかに「ホーンテッド」とか「1408号室」みたいな強烈な直接的な演出って無かったね。でもヘビとしてはじわじわと影響して内部から絆を崩壊させるってのもオカルトのよくあるパターンだとおもうんだ。
キングのホラーはでていつも人間の狂気も描くしね。
ヘビとカメレオンの考察の違い クリエイターの苦悩が起こした惨事なのか

消防車を取りに部屋にもどるとベッドに座ったジャックが壁をみつめていた。
ヘビにとってここは本当に恐ろしいシーンだった。
ダニーは昔にジャックの原稿をまき散らして怒られてけがをした事があったし明らかに異様なジャックがすごく怖かったと思う。
だからできる事ならジャックに気づかれる前に部屋を出たいと思ったはずだけどジャックに気づかれて呼ばれてしまう。
ダニーがジャックに怪我をさせられるんじゃないかという恐怖のシーンだ。

クリエイターがあんな風になるのは普通だろ
脳内で一生懸命仕事中だったけどダニーが来たから仕方なく仕事を中断して抱っこした

えっ

モノを造るっていうのは凄い怖い作業なんだ
自分のできなさ加減とかを全部思い知らされていかなきゃいけない
あんな風に壁を見つめるぐらい普通になる

うーん
でも火曜日に暖炉の前に突っ立ったジャックがおかしかったじゃないか

別に普通だろ
色々ひらめいたのかもしれない

えっ
ヘビはまた驚きました。確かにジャックの苦悩の要素はあるけどそこだけを観る人がいたなんて。
確かにホテルはジャックに影響を及ぼしただけで実際に行動を起こしたのはジャックだけど暖炉の前に突っ立ったシーンなんかはあからさまにジャックが狂い始めましたって演出だと思ったんだけどなあ。
カメレオン考察 シャイニングの対立構造

キングのホラーっていつも人間の狂気がテーマになってたりするよね。この「シャイニング」でもジャックの苦悩が爆発したともいえる感じというかもうジャック・ニコルソンの狂気になっちゃってるけど。
ホテルの悪いものの影響でそうなったとヘビは思ったんだ。
確かにカメレオンの言う通りホテルは直接何かをしてくるわけではない。よくあるホラーだとホテルの意志が明確で直接殺しに来るとかあるけどこれはそういうシーンがない。
例えば歩くとこにシャンデリアが落ちてきたりとか階段の最上階で見えない何かに押されて階段を転げ落ちるとかいう事はなかったね。
カメレオンの考察を詳しく書いてみよう。
クリエイターのジャックとそれを理解できない家族
- ジャックはクリエイターだから普通の人とちょっと違う
クリエイターは常に脳内で作業をしたりするから部外者から見れば狂ってる様にみえる時もあるかもしれない - 子供に怪我させてもいいとは言わないけど時間を費やした大事な原稿を巻き散らかされたらそりゃ子供相手でもキレるに決まってる
- ダニーとジャックの距離感からウェンディはその時にジャックやめてよジャックとダニーが悪いことをしたという事をダニーに教えることもしないでジャックからかばうだけだったことが伺える
小説家にとって最高の仕事を手に入れた
- ジャックは小説家としてはまだ成功してないような印象を受ける
そんな小説家にとってシーズンオフのホテルでの仕事は最高の環境だ - ただ飯どころか無料で生活できて静かな山奥で仕事がはかどる上に給料まで入ってくる
小説を書きながら家族を養うことができるわけだからこの冬に全てを賭けている
さらに上手くいけば来年も再来年も管理人の仕事に就いて毎年新作を書きつつ収入を得ることができる - キング自身もこんな環境で仕事する夢を何十年も妄想してたはずだ
- そんなこれ以上ない最高の環境をちょっと幽霊がでただのどうのでほったらかして逃げようとか絶対に許せない
だからジャックは怪奇現象を無視してウェンディに何もなかったと言ってなんとかなだめて管理人の仕事を全うして支配人からの信頼を得たい
ジャックを追い込むウェンディ
- ジャックの気も知れずに邪魔ばかりするウェンディ
階段でバットをもったウェンディの方がよっぽど怖かった - ジャックを追いこんだ上にバットでぶん殴って階段から落として貯蔵庫に閉じ込める
- ウェンディがダニーを連れて逃げるとか言わなければジャックは静かに狂って小説を書いていれた
- ウェンディが刺激してジャックを追い詰めた事によってオカルトじゃない方向に引っ張っていった
明らかにジャックを怒らせた - ホテル来る前からちょいちょいウェンディがジャックの仕事を邪魔してぶん殴られたりしてるはず
正気のジャックと狂気のウェンディ
- ウェンディは勝手に勘違いしてジャックをバットでぶん殴ったりして狂ってたけどジャックは正気だった
- グレーディーが出てきたときにビックリしてた
狂ってるんだったらあそこで違和感を感じなかったはず
怪奇現象だと理解したうえで無視して最高の環境を台無しにしないように努力している - トイレのシーンの「しつけ」はイコール殺すことじゃなくてウェンディに邪魔されないように「しつけ」をすればいいってこと
「話し合い」で説得なり威圧なりでジャックは新作の邪魔をさせないようにしようとしてたのでジャックは正気 - ダニーを傷つけたのはジャックじゃないとわかってもウェンディの矛先がホテルに行かないでジャックに向いたままだったのでウェンディが完全に狂人
- ウェンディが一番悪い奴
ウェンディさえいなければこんなことになってなかったけど離婚するわけにいかないしホテルの管理をするのにウェンディが必要

なるほどねえ
そういう解釈があるとは思いもしなかった

もしかしてジャック・ニコルソンだから悪霊に影響されなくても普通に斧持って暴れそうにみえてよくなかったんじゃないかw

まあたしかにジャック・ニコルソンは強烈だったよねw
でもジャック・ニコルソンだからこそよかった感じもあるんだけど

たとえばもっと気性の荒くなさそうな役者だったらホテルの悪霊に影響されたと感じていたかもしれない

ふむふむ
もしかしてカメレオンの考察だとあんまり面白くない映画だったんじゃないかな

ヘビのような感じで観れたらもっと楽しめたかもしれないね
家族間抗争なんだなあという感じでした
原作を読めばまた違う解釈ができるかもしれないけど

おもしろくない派の意見って聞いたことなかったけどそういう感じにとらえればまあそうなるんだろうねえ
残念
あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?