ホラー・パニック

ヴィジットのネタバレ感想と考察 ネタバレ匂わせシーンが面白そうなストーリーを台無しにしてしまった ヤッツィイイイイイイ!!

やあヘビだよ。
今回は2015年アメリカのホラー映画「ヴィジット」の感想。
監督は1999年「シックス・センス」で大成功するもこれを超える作品に恵まれないM・ナイト・シャマラン。

ベッカとタイラーの兄弟二人は初めて会う母方の祖父母の家に1週間滞在する事になる。
母のロレッタ19歳の時に家出したまま15年間両親と会話も無い状態のままなので子供たちだけの旅だ。
始めて会う祖父母はとても優しく二人は母が育った家を撮影したりインタビューしたりして楽しく過ごしていた。
ところが次第に祖父母の奇行が目立つようになる。
身の危険を感じ始めていた二人は滞在最後の日に衝撃の事実を知ることになる。

この映画は子供たちだけで遠方のおじいちゃんおばあちゃんの家に行き滞在するというワクワクする話
そして怖い目に合うと言うのだからヘビはとても楽しみにしていた。
ところが滞在前半にいきなりネタバレのような演出があって更に後半にもう一回確信に変わるような演出がある。
このせいで衝撃の事実を知るシーン
「ああ知ってた」
て感じになってしまったとても残念な映画だ。

話としては面白いはずなのになぜこんなことになったのか。
そして悲しみを背負った登場人物たちについて考えてみようと思う。

傷ついた人たち

クレアとミッチェル

祖父母だと思っていた二人はクレアとミッチェルというメイプル・シェイド精神科病院の患者だった。
本物の夫婦ではあるようだ。

本物の祖父母にカウンセリングしてもらっていた二人祖父母を逆恨みして殺す
孫が来ると聞いていた二人は祖父母になりすました。
ミッチェルは我が子を殺して失ったクレアのために最期の家族ごっごをさせようとしたんだろう。
ミッチェルがクレアのために完璧な一週間にすると約束したことから夫婦愛を感じる。

ミッチェルは工場勤務時に黄色い目をした走り回る白いヤツが見えると言って解雇されている。
通行人の男に監視しているだろと言って襲い掛かっていたし、
お前らには見えてない。私は真実を暴く者だ。私にはよく見える。この世界の醜い本性が」
という発言から典型的な統合失調症のように見える。
日頃から自分を苦しめる悪い声を終わりにするために小屋で何度も銃を咥えていつもかろうじて思いとどまっていたのかもしれない。

クレアは “日没症候群” だという。
ネット検索してみるとかわりに “夕暮れ症候群” という認知症の症状がヒットする。
クレアは夜になると暴れまわるけど夕方にも “暗闇さん” を追い払うとか言っておかしくなってたからこれなのかなと思う。
でも “シンモフィテリア” の話からするとクレアも統合失調症がありそう。

我が子をカバンに入れて池に沈めたけど殺したつもりはなさそうで悲しい。
「一緒に死のう」と
“殺す” 認識があるミッチェルはクレアに比べるとまだ正気なのかもしれない。

ベッカとタイラー

ベッカとタイラーがまだ小さい頃に父親は女をつくって出て行った
二人は深く傷ついた。
タイラーは自分では気持ちの整理をつけたつもりでいるけど父親が出て行ってから強迫性障害の一種である潔癖症になった。
ドアノブ以外は触っても平気なのかよとツッコミたくなるかもしれないけど実際に菌で死ぬわけじゃなく精神的なものだから自分だけの境界線があるんだと思う。
インタビューの時に父親が出て行ったことに整理を付けたつもりでも実は自分を責めている思いが出ていた。
13歳でつらい物事に収集をつけたとかかわいそうでならない。
いつか幸せになってほしい。

潔癖症の人は汚いものを触りたくないから部屋の掃除ができなくて部屋が汚くなる人もいるんだそう。
ヘビの昔の会社の知り合いが潔癖症っぽくいつもウエットティッシュで狂ったように手を拭いてたけどすごく口が臭かった。
当時は手よりまず先に口の中を綺麗にしなよと思っていたけど、
それも自分なりの汚いと思う境界線だったのかもしれない。

本人にとって不潔とされるものを触ることが強い苦痛となるため、逆に身体や居室に触れたり清掃することができずに、かえって不衛生な状態に発展する場合もある。

強迫性障害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
最終更新 2022年11月21日 (月) 05:11

ベッカの鏡恐怖症はネット検索してみると身体醜形障害の症状じゃないかと思った。
父親に捨てられた事によって自分のせいだと思い込んだベッカは自分の価値を否定するようになった。
否定した自分と鏡に映った自分が一致しない事に苦しんでいるんじゃないだろうか。
動画編集するときに映った自分は見る事ができるのは潔癖症の人が触れるものと触れないものがあるように、映った自分を見れるケースと見れないケースの自分なりの境界線があるんだろう。
いつか自分の万能薬にも出会ってほしい。

醜形障害者は鏡やガラスなどに映った自分を見続ける確認行動がある一方で、必死に鏡やガラスなどの反射対象物を避け、なるべくこだわっている箇所を映さない、映らない、確認しないなどといった極端な側面も持ち合わせていることが多い。

身体醜形障害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
最終更新 2022年11月28日 (月) 13:59

なぜそんなにも祖父母偽物説を匂わせるんだ

滞在最終日にSkype通話中カメラで祖父母を見せた後のママから衝撃発言

「二人とも落ち着いて今からいうことをよく聞くのよ」
「あれはおばあちゃんたちじゃない。本物の二人はどこ?」

ずっとあの人たちと一緒だったの?」

最終日に衝撃過ぎるこの事実。
子供たちが知らん人たちと過ごしていたという恐怖
ここで観客は恐怖でひっくり返るはずだった。

なのに匂わせシーンを2回も入れてあったからもう観客は気づいちゃってるよねえ。

  • 火曜日: 医者のサムが先日頼んでいたボランティアを無断欠席されたから様子を見に来た
  • 木曜日: ステイシーが土曜日に寄ってくれると言ってたのに来ないから心配で見に来た

前半で祖父母に会えてないという人が訪問してくる。
ここでまず「おや?」と思うよね。祖父母は普通に一緒に過ごしているんだから。
そして木曜日にもう一回違う人が祖父母に会えないと訪問してきたらそれはもう確信になるじゃないか。

だから衝撃のママの発言を聞いても
「そうだよね」 (ハナホジー)
て感じになってしまった。

タイラーのラップはキツイし。

それどころかもう祖父母は偽物だと思ってみちゃってるから、
大事なママの万能薬のシーンも台無しになっちゃった。

タイラーのラップはキツイし。

ママの万能薬

ベッカは家族を捨てて女といなくなったお父さんを恨んでいるけど同じく傷ついたママの事をずっと心配していた。
ママはパパに捨てられた傷もあるけど家出したまま両親と15年話もしていない悲しみも抱え込んでいた。
最後までベッカに話そうとしなかったけど家出した日に母をひっぱたいた事をそしてそれによって父にひっぱたかれた事を深く後悔している。
娘にひっぱたかれた母娘をひっぱたいてしまった父も深く傷ついたに違いない。
ママは今だに瞑想やセラピーに行って立ち直ろうとしてるけどふさぎ込む日も多い。
ベッカはそんなママに必要な万能薬の事をずっと考えていたんだ。

最後の日におばあちゃんにインタビューする。
娘の話はしたくないと頑なに拒むおばあちゃん。
ベッカは例え話として家出をした娘が駆け落ちした相手に捨てられて悲しんでる話をする。
もしおばあちゃんがこの娘の親だとして会ったら何と声をかけるか聞くとやっとこの言葉をもらう。

「おまえのことを許すわ」

ママの万能薬ってこれだったのか。
“親の許し” だったのか。

でもここでもうこのおばあちゃんは偽物だと思って観ちゃってるから感動が半減なんだよね。

しかも
ここで万能薬が親の許しだった。
ベッカはこんなにもママの事を想ってたんだ。
自分もパパに捨てられて傷ついてるのになんて優しい娘なんだ。
と思ってると、

「これが万能薬よ」
って余計なシーンが来る。

はあああああ?

いらんだろそのシーン。
タイラーにはどっかよそで教えてあげてくれ。
万能薬って言葉だったのかって感心してる時なぜいちいち説明するんだ。
台無しだよ

ベッカの演技が未熟過ぎて泣く泣く付け足したシーンなのかな。
そう考えるとずっとママの心配してずっと手に入れたかったママの万能薬を手に入れたベッカは堰を切ったように涙があふれるんじゃないかと思う。
そうじゃなくても一粒ぐらい涙が出ても良かったんじゃないかなあ。

プレイヤーは5つのサイコロを振って手を作る。手に応じて得点が得られ、より高得点を得たものの勝ちとなる。ルールの原理上では何人でも遊べるが、実際にはゲームの進行速度の点から、6人程度までがちょうどよい。

ヤッツィー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
最終更新 2022年10月4日 (火) 03:40
ヘビ
ヘビ

オーブンの掃除怖いなあ

カメレオン
カメレオン

最初の掃除は信用できないながらもまだ祖母だからという保険があるけど
二回目の掃除は祖母が偽物だと分かった事でその命綱を失ってるからなw

ヘビ
ヘビ

そうなんすそうなんす
ドア閉めて点火するに決まってるって感じだったよね


あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?


  • ベッカ・ジェイミソン (オリヴィア・デヨング): 姉 15歳 家族を捨てて出て行ったパパを恨んでいる 心の傷から鏡を見れない精神障害が出ている
  • タイラー (エド・オクセンボウルド): 弟 13歳 出て行ったパパの事には収集を付けたつもり 心の傷から潔癖症を患うようになった
  • ロレッタ (キャスリン・ハーン): お母さん 19歳で駆け落ちしてから15年間両親とは話もしていない
  • マリア・ベラ・ジェイミソン (ディアナ・ダナガン): 祖母 正体はクレアという偽物 わが子をカバンに入れ池に沈めている メイプル・シェイド精神科病院の入院患者 本物の祖父母を殺害して祖父母になりすまし
  • フレドリック・スペンサー・ジェイミソン (ピーター・マクロビー): 祖父 正体はミッチェルという偽物 メイプル・シェイド精神科病院の入院患者 本物の祖父母を殺害して祖父母になりすまし
  • ミゲル: 母の新しい恋人
  • コリン: 子供たちが小さいときに女をつくって出て行ったお父さん ロレッタが高校生の時国語の臨時教師だった
  • サム: 祖父母がカウンセラーのボランティアをしていたメイプル・シェイド精神科病院の医師
  • ステイシー: カウンセラーの祖父母に話を聞いてもらっていた患者 ミッチェルに殺害される

タイトルとURLをコピーしました