ホラー・パニック

ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリーのネタバレ感想と考察 Netflix ディーズの怒りはアート業界に向けた皮肉ではない

やあヘビだよ。今回は2019年Netflixオリジナルのホラー映画「ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー」の感想。

この映画はロサンゼルスのアート業界が舞台になっている。

アート業界の人たちがお互いを出し抜くために汚い駆け引きをしたり芸術家がそれに振り回されたりする日常。

ある日ギャラリーのスタッフであるジョセフィーナは偶然マンションの廊下で老人が死んでいるのをみつける。

その老人には身寄りがなく家のものはすべて処分することを知ったジョセフィーナは次の日こっそり老人の部屋に入ってみると老人が描いた不気味だけどとても魅力的な大量の絵画をみつける。

ジョセフィーナは勝手に老人の絵画を持ち出して美術商として成功を収めようとしたけどギャラリーのスタッフにばれて絵画の争奪戦が始まる。

ところがしばらくするとその絵画で利益を得た人たちが次々に奇妙な事故にあっていくというサスペンステイストなホラー映画

この映画は一般的に芸術の商業主義に対しての皮肉がどうのと考察されてたり
中には本当に映画を観たのかな?ってぐらい登場人物がみんな儲け主義みたいな感想が多かったりして納得がいかなかった。

ヘビとしてはまあ悪い人物もでてくるんだけど評論家の主人公モーフに限っては偽りのない芸術愛を感じていたんだけどビックリする結末になってたし要点はそういうとこじゃないんじゃないかと思った。

呪いの矛先は商業主義に対してじゃないし芸術が舞台になってるってだけで意外と「リング」のように関わった人に災いが降りかかるといった呪いのビデオ的ホラーなんじゃないかなとも思ったそんな作品です。

華やかなアート業界

華やかな生活を送る美術商の人たちは個性が強くて野望がすごい。一生懸命生きてるなあ。

どうでもいいけど最近は絵画だけ扱うわけじゃないから画廊じゃなくてギャラリーって言うんだね。

  • モーフ: アート評論家。評価したモノが売れるぐらいの名声がある
  • ロドラ: 何やら力を持っているヘイズギャラリー代表
  • ジョセフィーナ: 遅刻の常習犯で怒られたのに逆切れで独立を企むヘイズギャラリーのスタッフ
  • ブライソン: ギャラリーのものを横流ししようとするヘイズギャラリー設置係。見た目に反して芸術に通じている
  • ジョン: アーティストの獲得に意欲を燃やす若手美術商。ドンドンギャラリー代表
  • グレッチェン: 美術館を辞めてアートアドバイザーになって家と高級車を手に入れるファッションデザイナーのような出で立ちの女性
  • ピアース: かつての名声があやうくなってきて美術商に振り回されるアーティスト
  • ダムリッシュ: 路上の落書きをいきなりギャラリーに評価されて金持ちになったけど金にあまり執着のないアーティスト
  • ココ: 実は一番腹黒いんじゃないかと感じたギャラリーの受付係。各ギャラリーの情報を餌に色んなギャラリーを渡り歩く

そんな癖のある人たちがアート業界で成功するために時には汚い手をつかったりして情熱を燃やしている。

アート業界のことは全然知らないヘビだけどチラッと見聞きした情報そのままな演出でふむふむこんな感じなんだろうなあとアート業界を覗き込んだような気になるスタート。

ヘビ
ヘビ

ジョン・マルコヴィッチのピアースはやっぱりすごいね芸術家にしかみえない

カメレオン
カメレオン

芸術家っぽい衣装も上手いんだろうけどふらりとギャラリーに立ち寄るシーンとかも芸術家まるだしだったな

ヘビ
ヘビ

ピアーズのアトリエはスタッフがいっぱいいて高級車があってフォードGTまであったから有名画家ってのは間違いなさそうだけど芸術のわからなそうなジョンと組んでもつまらないんじゃないかな

カメレオン
カメレオン

ピアーズがジョンのギャラリーにかえたってよりもロドラに見捨てられて格下のジョンのギャラリーにロドラよりも安く買われたんだろうな

ディーズの怒りは何に対してだったのか

ディーズの絵に魅せられた人には奇妙な事が起きていた。

絵が動いて見えるのだ。

そしてディーズの絵で利益を得ようとした悪い人たちは次々と謎の死を遂げる。

でもちょっと待ってほしい。

確かに悪い人もいたけどモーフはそんな悪い奴だったっけ?

ジョセフィーヌに頼まれてジョセフィーヌの元カレのリッキーの展覧会を酷評したのは悪だけどこれに対してディーズの怒りを買う事はないし

グレッチェンが美術館を辞めて独立する話をモーフにしたときに
「大きな報酬をあげるから未発掘の (これから評価する) 最高品を教えて」
って言ってすごいモーフに怒られてたよね。見損なうなよって。

グレッチェンとしてはモーフが評価する作品をいつもロドラが扱ってるからモーフが報酬をもらってロドラにアドバイスしてるんだと思ってたんだろうね。実際にはロドラがこっそりモーフの恋人から情報を買ってたわけなんだけど。

しかもモーフはディーズの絵に対して純粋に惚れ込んだようにみえた。

ロドラにも
「パンフレットは (無料で) 書いてあげるけど本とか出版する権利はもらう。」
って言ってたよね。

ディーズの絵に魅せられすぎて作品が生み出される経緯とか作者に興味がわいてるように感じた。

そんな純粋に芸術を愛していると感じていたモーフも殺されてしまった

この映画のよくあるレビューとか解説みたいなのをみると
“絵の価値もわからない金持ちをカモにして大金を稼ぐ美術商のクズが制裁を受けた

ざっくり言うとこんなことがよく書いてあるんだよね。

でもこれおかしくないですか?

モーフは商業主義な感じはしなかった

ブライソンは儲けてないけど死んだよね。

しかもブライソンが最初に絵をみたときに衝撃を受けてたみたいだった。絵に魅せられてた

まあブライソンの場合は売って儲けるつもりで絵を奪った気もしないでもないけどw

まあ何がいいたいかと言うと商業主義が制裁を受けたというなら純粋に芸術を愛するモーフまで殺されたのがすごい納得がいかなかったんだ。

そこで考えると

ディーズの絵で利益を出そうとした人がディーズの怒りに触れたんじゃなくて

ディーズは自分の作品を全部処分しようとしてたのにそれを世に出そうとしてた人がディーズの怒りに触れたんじゃないですかこれ。

途中で「リング」のようにモノをみた人もしくは所有した人が呪われるのかと思ったけど展覧会で多くの人が絵をみてるから関係ないよね。

最後にロドラがさっさとディーズの絵を売っぱらったけどやっぱり死んでしまったし。

という事でブライソンの車から絵を盗んで売っている路上生活者も死ぬかなとも思ったけどあの人は絵に魅力を感じることもなく何にもわかんない感じで売ってたからどうなんだろうなあ。

カメレオン
カメレオン

絵って色んな感情もでるものだからましてやひどい目に合いながら育ってきたディーズが籠って描き続けてたものを世に出してほしくないってのはわかる気がする

ヘビ
ヘビ

太宰治もノートの落書きなんか公開されたくなかっただろうなあ

カメレオン
カメレオン

太宰治の場合は散々人格とか掘り下げられたあとだから落書きなんかみても人格の確認にしかならないけどな

ヘビ
ヘビ

今でいったらパソコンのパスワードが解析されたので公開します。って言ってるようなもんじゃないか

カメレオン
カメレオン

死ぬそれ

ヘビ
ヘビ

しかしココが最悪だよ
すごい悪いヤツ

カメレオン
カメレオン

アイツはいつも第一発見者みたいになってたし実はこうでしたみたいなオチが欲しかったな

ヘビ
ヘビ

うんうん
途中でもしかしたらホラーじゃなくてココが何かやってんじゃないかなってとこまで期待してた

カメレオン
カメレオン

どっかでみた役者だなと思ってたけど
Netflixドラマの「ストレンジャー・シングス 未知の世界」
だな

ヘビ
ヘビ

あああ!
マイクのお姉ちゃんか

カメレオン
カメレオン

そんなことより
ディーズの呪いなのにディーズの描いた絵じゃない絵がうごいてブライソンを殺すとかおかしいだろ

ヘビ
ヘビ

あーあれはいいんだよ
絵が出てくる映画だからたまたまガソリンスタンドの絵だったけど天井が崩れて死んだっていいし

カメレオン
カメレオン

モーフを殺したロボットだってグレッチェンを殺したスフィアだった全く関係ない人の作品じゃないか

ヘビ
ヘビ

あれはディーズの呪いがいかなる手段を使ってでもって事だからいいのですよ
最初にロボットのインパクトはすごいものがあったからもう一回観れてよかった

カメレオン
カメレオン

ホラーに寛大すぎるだろw

カメレオン
カメレオン

しかしジョセフィーヌだけひどい結末だったな

ヘビ
ヘビ

絵の一部にされちゃってたね

カメレオン
カメレオン

あれ死ねてればいいけど

ヘビ
ヘビ

生き地獄ぽい感じするねあれは
ディーズが全部処分すると遺書を残してたのに
ジョセフィーヌが最初に絵を持ち出したから一番ひどい目に合ったのかも

カメレオン
カメレオン

素晴らしい作品を見つけてしまった以上
世に出さなければ人類としての損失ともいえるから
ジョセフィーヌもかわいそうだな

美術商は悪なのか

値段を操作するために作品を世に出す調節をしたりしてるシーンとかが芸術を商業的に扱ってる嫌なヤツって演出な感じもするけどみんなはどう感じたかな。

でもさ

アーティストだって生活しながら創作しなきゃいけないわけでお金は必要なわけだよね。

認められたらそれなりの対価を得たほうがいいんじゃないかとヘビは思うわけですよ。

有名作家の作品じゃない限りただ黙って置いておいたって売れないんだからギャラリーが評価してプレゼンしてくれて売って一部のお金をもらうって言うシステムはいいことなんじゃないかな。

出版社と同じだよねシステム的には。

作家だってある程度有名になれば黙ってても売れるだろうけどそうじゃない作家の作品を凄い金使って宣伝してヒットさせることによって作者にもお金が入るわけだ。

いいことじゃないか。誰も損してない。

カメレオン
カメレオン

作品を世に出す調節をして値段を操作するって行為も
契約にも寄るけど作者にも還元されるだろうからいいんじゃないかな
買う方も高いなあっていやいや買うわけじゃないし

ヘビ
ヘビ

そうだよね
「およげたいやきくん」
みたいな爆発ヒットなのにギャラ一発契約だと作者がかわいそうだけど

カメレオン
カメレオン

あれは作詞作曲が歌ってる人じゃないから例えにならんだろw

ヘビ
ヘビ

そうだったのかw
歌ってる人が作ってすごい売れたのに本人はあまりお金もらえなかったっていうひどい話かと思ってた

カメレオン
カメレオン

まあ少しは還元したんじゃないかな
しらんけど


あくまでも個人の感想です。みんなはどう感じたかな?


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